雑記

雑な記録。略して雑記。

整理

そろそろ今の勤め先から異動になることもあり、色々と整理しなければいけない時期になってきています。
と言いながら仕事も家も片付いているかというと怪しい。特に仕事は無計画に年度末に突入したせいで引き継ぎをうまくできるか心配になってきました。

元来私は整理というものが苦手でした。本も気まぐれに買ったせいで未だに実家に大量の蔵書を置きっ放しですし本以外は物を殆ど持っていないから一見整理されているように見えなくもないだけで数少ない物はその辺に置いてありますし知識も体系だっていないですしデスクはパソコンの周りに書類を積みまくりですし振り返れば前の所属から異動した時も最後の日に書類を捨てたり引継書を作っていたりしましたし整理が苦手というか計画性がないのかもしれません。この文章もまるで整理されていませんし思いつきで書き連ねてますし。

まあなるようになりますか。これだから改善しないと言われたら困りますが。

坂戸佐兵衛(原作)旅井とり(作画)『めしばな刑事タチバナ』28、柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』6、島本和彦『アオイホノオ』1

ぶらぶら歩き回っていたら疲れたので一先ず記録だけ残しておきます。

(さすがにこのまま放置は寂しいので追記)

 『めしばな刑事タチバナ』を読んでいると長期連載と如何に付き合うべきか考えさせられます。手を変え品を変え身近な食について蘊蓄を披露してくれるものの、「世界を支配している魔王を倒す」とか「隠された秘宝を手に入れる」とか分かりやすい大目標がないので時折「何をしているのだろう」という気持ちになります。しかしよく考えたら人生も同じような毎日の繰り返しです。自分が何もしなければ手を変え品を変えてくれることもありません。となると、『めしばな刑事タチバナ』という長期連載を楽しめないということは人生という長期連載を楽しめないということになるのではないか。いずれにしても材料は用意されているのだから自分で料理する姿勢を示さなければならないのではないか。そんなことを考えてしまうくらいには集中できていません。

 

失踪日記』や『アル中病棟』をたまに読み返してしまう身としては染みるものがあります。迷惑をかけているという自覚があるだけに他人に頼れず、自暴自棄になった末に更に他人に迷惑をかけてしまうという悪循環は身に覚えがありすぎてつらいです。

アルコール依存症は否認の病」というフレーズが出てきますが、アルコールに限らず何かに依存している人には当てはまるのではないかと思わずにはいられません。

「自分は何かに依存しているわけではなく、仮に依存しているとしても、そのこと以外に何ら問題はない」

こう言語化すると「んなわけねーべ」と思ってしまいますが、言葉で分かっていても行動がついてこないことが多々あります。なかなか自覚するのは難しいものです。だから他人の目が必要なのでしょう。友達が欲しいですね(遠い目)

 

アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)

アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)

 

この漫画を読んで笑い飛ばせるか笑いながらもどこか自分に通ずるものを感じてしまうかでその方の調子が分かるような気がします。私は当然後者です。

そうはいっても焔燃は腹筋をつけただけ立派です。以上です。

武者小路実篤『友情』

 

友情 (新潮文庫)

友情 (新潮文庫)

 

読み終わった直後は失恋した野島に涙を禁じえませんでした。

ただ失恋しただけでなく、唯一無二の友に見初めた女性の心を掴まれてしまったのです。

しかも友にも女性にも責められるところがありません。友は充分に野島のことを慮っていました。女性も自らの思いに正直であっただけです。

さらに友と女性の熱情は野島の理想の恋なのです。(些かアナクロニズムの感はありますが)女が男を支え、男は仕事で応える。己が夢見ていた恋を友が実現しているのを眼前に叩きつけられたのです。

しかし友にも女性にも当たることはできません。野島には何も残っていません。ただ孤独なだけです。なんと悲惨な話でしょう。

「自分は淋しさをやっとたえて来た。今後なお耐えなければならないのか、全く一人で。神よ助け給え」

 

 

しかし、改めて冒頭に戻ると次のような言葉が綴られていました。

人間にとって結婚は大事なことにはちがいない。しかし唯一のことではない。する方がいい、しない方がいい、どっちもいい。同時にどっちもわるいとも云えるかも知れない。しかし自分は結婚に就ては楽観しているものだ。そして本当に恋しあうものは結婚すべきであると思う。しかし恋にもいろいろある。一概には云えない。この小説の主人公は杉子と結婚しなかった為に他の女と結婚したろう。そして子が生れたろう。その子が男で、大宮と杉子の間に出来た女の子を恋して結婚するということも考えられないことではない。そして両方がお互に生れたことを感謝しあうと云うこともあり得ないことではない。

夫婦のことは何処か他の処で書こう。

自分はここではホイットマンの真似して、失恋するものも万歳、結婚する者も万歳と云っておこう。

少なくとも作者は悲惨とは捉えていないようです。 最初の段落は「どっちもいい」とか「一概には云えない」とか言っていて何も主張していないようですが、つまるところ人間どう転ぶか分からないということのように読めます。そしてどう転ぶか分からないなら真っ直ぐに生きたほうがいいのだということで、最後の段落の「失恋するものも万歳、結婚する者も万歳」に繋がるのかなと。失恋した野島も結婚するであろう大宮と杉子も、結果はともかく、それぞれが自分の想いに真っ直ぐでした。それは素晴らしいことです。

 

野島は恋に敗れました。しかし戦って敗れたのです。諦めて敗れたわけではありません。さっさと諦めれば傷は浅いでしょうが何も残りません。がっぷり四つに組み合い敗れたならその経験は己に刻まれます。そう考えると、何も残らずただ孤独になっただけではないのでしょう。

君よ、僕のことは心配しないでくれ、傷ついても僕は僕だ。いつかは更に力強く起き上るだろう。これが神から与えられた杯ならばともかく自分はそれをのみほさなければならない 

吉本ばなな『キッチン』

 ふと大昔に途中まで読んで放り出していた小説を読んだ。

キッチン (新潮文庫)

キッチン (新潮文庫)

 

目次に並んでいるのは以下の4つ。

  • キッチン
  • 満月—キッチン2
  • ムーンライト・シャドウ
  • そののちのこと(文庫版あとがき)

このうち私の心を最も引いたのは「そののちのこと(文庫版あとがき)」であった。

「キッチン」を読んでいても「満月—キッチン2」を読んでいても「ムーンライト・シャドウ」を読んでいても何処か腑に落ちなかったが、「そののちのこと(文庫版あとがき)」で少しスッキリしたからだ。

 

感受性の強さからくる苦悩と孤独にはほとんど耐えがたいくらいにきつい側面がある。それでも生きてさえいれば人生はよどみなくすすんでいき、きっとそれはさほど悪いことではないに違いない。もしも感じやすくても、それをうまく生かしておもしろおかしく生きていくのは不可能ではない。そのためには甘えをなくし、傲慢さを自覚して、冷静さを身につけた方がいい。多少の工夫で人は自分の思うように生きることができるに違いない

 

ほんの少しずつではあるが「そうかもしれないなあ」と思っていたことを上手に言葉にしてもらった気がし、

 

愛する人たちといつまでもいっしょにいられるわけではないし、どんなすばらしいことも過ぎ去ってしまう。どんな深い悲しみも、時間がたつと同じようには悲しくない。そういうことの美しさをぐっと字に焼きつけたい

 

そうか、それを「美しい」と捉えるのか、と感心した。 

 

どうにもやりきれなくなった時にまた読みたい。

ヘミングウェイ『老人と海』、pha『人生にゆとりを生み出す知の整理術』

2018年はもっとてきとーに更新することも自分に許すことでもう少しちゃんと記録していこうと思います。2017年は読んだのに何も記録に残していないことが多すぎました。

老人と海 (新潮文庫)

老人と海 (新潮文庫)

 

年始早々腹痛に独りのたうち回っていた時に読みました。

読み終わってしばらくは老人が最後は少年を求めてしまうあたりに「人間は孤独に勝てないのだ」という絶望を読み取っていたのですが、今は「海の上では老人は気が狂いそうになりながらも最後まで孤高に戦い抜いたのだ」という評価に変わっています。ひとりぼっちになりながらも誰に当たり散らすこともなく、自らの獲物を食い散らしていく鮫にも憎しみを抱くことなく、誰もいない船上で弱音を吐くことがありながらも己の力を振り絞る老人に勇気を頂きました。

なんとなく、『神様のカルテ0』の榛名のセリフを思い出します。

本当に苦しいのは、自分だけが一人ぼっちだって思うことです。そうして、何もかも投げ捨ててしまうことです。そんなの、間違っていますし、悲しいですし、なにより、かっこ悪いです

 

人生にゆとりを生み出す 知の整理術

人生にゆとりを生み出す 知の整理術

 

勉強本というのは得てして可能性(俺はできるぜ!)からスタートしがちですが、この本は諦め(人間は飽きっぽいから仕方ないよねー)からスタートしているような感じで、「肩肘張って勉強するのはどうもなー」という方におすすめです。

巻末で紹介されていた漫画のうちどれから読むか悩みます。

2017年に読んで印象に残った小説・漫画各3冊と2018年の展望

年末年始は海外に高飛びしておりまして、2017年を振り返る間もなく年が明けてしまい現在に至っています。

 

 

今更ながら2017年を振り返って印象に残った小説と漫画3冊ずつを挙げておきます。といっても3歩歩いたら忘れる鳥頭なので、何もしないと年末に読んだ本を挙げるだけになってしまいそうですから、過去の記事その他参考になるものを読み直して……とやっていたら3冊に絞れなくなってきました。まあ、えいやっと3冊挙げてみます。

 

 

【小説】

2017年に初めて読んだわけではないのですが、ちょこちょこ読んでいてやっぱり心に染みるものがありました。橋場くんが『山月記』の李徴にちょっと似ているように感じるのも心惹かれる一因でしょう(なぜか以前の記事で喜嶋先生と李徴を重ね合わせていましたが、どちらかと言うと喜嶋先生は『名人伝』の紀昌に近いように思います)。

良い経験になった、という言葉で、人はなんでも肯定してしまうけれど、人間って、経験するために生きているのだろうか。今、僕がやっていることは、ただ経験すれば良いだけのものなんだろうか。

経験を積み重ねることによって、人間はだんだん立派になっていく。でも、死んでしまったら、それで終わり。フリダシにさえ戻れない。

同じ箇所の引用で芸がないですが、ふと気を抜くと経験の奴隷となっていますので、経験は死んだら残らないという当たり前のことを忘れないよう気をつけたいものです。

 

 

居酒屋ぼったくり

居酒屋ぼったくり

 

特筆すべきところはありません。が、なんだかんだで8巻まで買ってしまいました。

おそらく私自身の現状と小説の内容がマッチしていたからでしょう。2018年には環境も変わるでしょうから、そういう意味では2017年の1冊として取りあげるに相応しい。

他人の温かさを忘れそうになった時に読み直すと元気付けられる本です。

 

 

神様のカルテ (小学館文庫)

神様のカルテ (小学館文庫)

 

結局年末に読み直した1冊を挙げてしまいました。

「医者の側からしてみても、医局の都合ひとつで山奥の病院に飛ばされてはかなわん」

「ドクトルもそれが嫌で医局に入らなかったんですか?」

「私は人が多いところが嫌いで、この町が好きだった。その条件に当てはまるのが本庄病院しかなかったというだけだ。前向きな動機などひとつもない」

実に消極的な内情を、とりあえず誇らしげに答えてみた。

人にはそれぞれ得手不得手がある。たしかに私が就職先を本庄病院に選んだ時は、さして多くもない友人の過半数が我が将来を案じ、たいしてお世話になってもいない教官のほとんどが、人生を無駄にするな、と声を張り上げたものである。当時はそれほどに、入局しないということが奇矯な道であったのだ。

しかし、やはり人にはそれぞれの役割とでもいったものがあるのだろう。たとえ変人呼ばわりされたところで、私にはこの生き方しかできなかったのである。

一止より更に消極的な動機で就職先を決め、ふらふらとここまで来てしまいましたが、今となっては「私にはこの生き方しかできなかったのである」と徐々に諦めもついてきました。 

神様のカルテ』ではブラック・ジャックのような天才医師が出てきて患者の命を救うわけではありません。むしろ命は救われない患者がほとんどです。現代医学をもってしても寿命という壁を越えることはできません。

それでも、医師がすることはある。そうしたことに気づかせてくれる1冊です。読むと報われないことも多々あるけどもう少し頑張ろうと思えます。

 

 

【漫画】 

恋は光 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
 

ついに完結してしまいました。2017年どころか人生で最も印象に残る漫画になってしまった可能性も否めません。

恋というものを知りたくて

この一言から始まり、この一言に終わった漫画でした。

『恋は光』については各所で書き散らしてきたので、これ以上述べることはないと言いたいところですが、まだ自分の中で腑に落ちているわけではありませんから、これからも考えていきます。

 

 

鋼の錬金術師 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

鋼の錬金術師 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)

 

勢いで全巻一気買いして読んでしまいました。友人に何冊か読ませてもらった記憶はありますが、ちゃんと最初から最後まで読んだのは初めてです。期待を裏切らない名作でした。

余談ですが、仕事帰りにコンビニ前で中高生が「(親父は)なんで墓の前で死ぬんだ、それならその命をアルのために使えばよかったのに」と言っているのを聞いて、「そうじゃねえんだ、そうじゃねえんだよ」と思ったのも今年の良い思い出です。

 

弱者の弱者たる所以がこれでもかと詰め込まれていて読んでいると叫び出したくなります。

それでも生きていかなければなりません。

 

 

【ついで:アニメ】

2017年はAmazonビデオでちょいちょいアニメも観ていましたので、ついでに3作印象に残ったものを選んでみます。

Amazonビデオを貼ろうとすると各話のタイトルしか出てきませんので、アニメのタイトルが分からないということが判明しました(以下のとおり)。

それはさておき、「SHIROBAKO」は労働を営む方なら観ておいて損はないアニメです。労働にまつわる悲喜交々が巧みに描かれており収束も素晴らしい。2018年は労働環境に変化が起こる可能性が高いので、また観直すかもしれません。

 

 

後輩の一押しと聞いていたので、プライム会員ならタダで観られると知るや否や視聴をはじめました。序盤に張られた伏線が次々と回収されていくのが爽快です。

 

 

こちらも後輩のおすすめです。白状しますと先ほど最終話を観終わりましたので厳密に言えば2017年の1作とは言えませんが、2017年から観始めましたのでOKということにします。

話は単純といえば単純なのですが、OPの最後でアイラの表情が徐々に柔らかくなっていくのが1話ずつの進捗を感じさせてとても良かったです。

 

 

2017年の回想が長すぎて2018年の展望を書く気力が殆ど残っていません。しかし僅かな気力を振り絞って書くと、2017年は読むにせよ観るにせよ意外性に乏しかった(自分のこれまでの傾向からいってまあ読む・観るだろうなというものを読んで・観てきた)ので、2018年はもう少しチャレンジしていきたいです。

バーナード嬢曰く。』の神林しおりも、

読了後生き方が変わるくらいどっぷり作品世界に浸からないと濃厚で価値のある読書体験は得られないんだよ!!!

と言っていますから(2巻32頁)。 『ドグラ・マグラ』でも読みますか。

2018年の目標

2017年の目標

上を見直してみたらあまりにも達成できていなさすぎて心が折れそうです。
社労士の試験は落ちましたし知人はまあ1人増えたと言えなくもないくらいですし24のRは1850までしか上げられませんでしたし12冊くらいは本は読んだと思いますが咄嗟には挙げられないですし『素数入門』は第1章くらいしか読んでいないですし惨状を極めています。反省しかありません。
思うに具体的な目標を立てたとき自分は目標を達成できないことが多いです。有言不実行なのです。不言実行しているかと言われたらそうでもないですが、目標を形にしてしまうとそれはそれで天辺が見えてやる気がなくなるというかなんというか言い訳ですねはい。
とはいえ有言実行って要はできることを言っているだけというケースもしばしばあるわけでして、それだったら高い目標を立てて7〜8割達成できたほうが成果としては大きい場合もあるわけでして云々。
だんだん面倒になってきましたので、2018年の目標は「生きる」だけにしておきます。生きるのが一番大事です。年末年始海外に行ったら何かが当たったのか、腹痛で年明け早々死にかけていますしね。
皆さんも生きていきましょう。