私は非常に阿呆な勘違いをした。それはもう、弁解の余地もない大間違いである。目も当てられない。しかし買ってから気づいても後の祭りである。
つまり、作者がたくさんいるので各々が書き下ろした作品集だと思ったのだ。だが、実際はアンソロジーだった。それぞれの作家がすでに発表している作品群からラーメンというテーマに沿って抜き出してきていたのだ。
その思い込みがあっただけに、読み始めたときは奇妙な感覚だった。『花のズボラ飯』は既読だったので、「おや?」と思うことしばし。ただ直ぐには現実を見られない。途中から変化していくというパターンだと思ったのだ。そして読み終わった。唖然呆然である。
とはいえ、巨匠揃いであるだけあって、それぞれに味がある。特に台詞も擬音もない魚乃目三太『しあわせごはん』には驚いた。漫画には想像力が必要だということを痛烈に分からせてくれる作品である。
なおラインナップについてはamazonのレビューAmazon.co.jpで見られる。
- 作者: 鳴見なる
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2014/10/07
- メディア: コミック
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「ラーメン大好き」といえばこの作品で、実は何か関係があるのではと期待していたが残念ながらなさそうである。
つまるところ、『ラーメン大好き!』はラーメンマンガのアンソロジーではなく、様々な漫画のラーメン回のアンソロジーだった。買う時には注意されたい。