雑記

雑な記録。略して雑記。

『心が叫びたがってるんだ。』

この前の日曜日に『心が叫びたがってるんだ。』を友人二人と共に観てきた。1800円である。薄給で働いている身には安くない金額である。しかも時間も取られる。これだけコストを払うのであれば、面白くなくても面白いと思ってしまいそうである。

しかし少なくとも友人のうちの一人の評価は厳しかった。曰く、「来年には忘れていそう」。

確かに私のようなアニメにも映画にもさほど詳しくない一般人でもするすると観られる映画だった。ただ、するすると観られるということは、悪く言ってしまえばそれだけ薄味ということである。

しかし冒頭にも述べたように1800円と2時間を犠牲にしたのに、「薄味だった」の一言ではあまりにも悲しい。というわけで、3日経って記憶もだいぶ怪しくなっているが、覚えている限りで振り返っていく。

(※盛大にネタバレします。)

(※盛大にネタバレします。)

(※盛大にネタバレします。)

(※大事なことなので三回言いました。)

さて、あらすじを確認すべく公式サイトを見たところ、自分が重大な勘違いをしていたことに気づいた。さっきまであらすじを「心に傷を負った若者が成長していく物語」と理解していたが、合っているのが「心に傷を負った若者」までで、「成長」はどこにも書いていなかった。なんということだ。しかも鑑賞後「成長」についての批判もしていた。すみません。

こういうこともあるので、イントロダクションとストーリーをきっちり引用しておく。

(イントロダクション)

「2013年、アニメファンの枠を超え、心揺さぶる感動作として
興行収入10億円を突破する大ヒットを記録した『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』。
テレビアニメオリジナル作品としては歴代2位の記録を打ち立て、
実写ドラマ化も決定するなど、今でも日本中に“あの花現象”を巻き起こしている。

そして今秋、名実ともにヒットメーカーとなった監督・長井龍雪、脚本・岡田麿里
キャラクターデザイン・田中将賀の3人が結集し、再び秩父を舞台にした
完全オリジナルストーリーの青春群像劇『心が叫びたがってるんだ。』が誕生する。

心の傷、葛藤、誰かを想う切なさー。
人と人との絆を描いた物語と、誰もが一度は聴いた事のある「悲愴」や
Over the Rainbow」「Around The World」などの名曲の数々が、
きっとあなたの心を感動でいっぱいにしてくれる」

(ストーリー)

「幼い頃、何気なく発した言葉によって、
家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。

そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。

高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。

担任の思惑によって、交流会の出し物はミュージカルに決定するが、クラスの誰も乗り気ではない様子。しかし拓実だけは、「もしかして歌いたかったりする?」と順の気持ちに気づいていたが、順は言い出せずにいた。
そして、だんまり女にミュージカルなんて出来るはずがないと、揉める仲間たち。自分のせいで揉めてしまう姿を見て順は思わず「わたしは歌うよ!」と声に出していた。

そして、発表会当日、
心に閉じ込めた“伝えたかった本当の気持ち”を
歌うと決めたはずの順だったが…。 」

こういう引用をすると、これだけで満足してしまうので危険だと気づいた。ひどい。

冗談(?)はさておき、ネタバレを含めて簡単に自分なりにストーリーを要約すると、「成瀬さんが幼いころのトラウマから生み出してしまった玉子の妖精という妄想を周囲の助けを借りて打ち破り、失恋しても大丈夫なくらい前向きに生きるようになる」という話である。ほかのメインキャラクター(坂上くん・田崎くん・仁藤さん)を完全に無視している上、ミュージカル要素はどこにいったんだと言われてしまいそうだが、メインのストーリーはこんな感じだった、はず(自信なし)。

成瀬さんが妄想から解放されるのに一番寄与した坂上くんと結ばれるという安易なオチにしなかったのは友人たちにも好評だった。ただ坂上くんが成瀬さんではなく元(?)彼女の仁藤さんを選んだ理由が自分にはよく分からなかった。坂上くんが元(?)彼女の仁藤さんに未練を持っていることが「登場人物がそれぞれ心に傷を持っている」というストーリーにとって重要なのは分かるのだが、あれだけ成瀬さんにかまっておいて「ごめん、俺、好きなやつがいるんだ」とはどういうことか。とはいえ坂上くんが仁藤さんラブな様子を描くのはこの映画では難しかったようにも思う。しかし成瀬さんファンの自分としては納得いかな(ry

批判は友人があらかたしつくしてしまっていた(しかも自分より遥かに鋭い)ので褒めようと思うのだが、いざ褒めようと思うとどこを褒めていいのか分からない。声優さんの声はすばらしく、映像もよくできていたと思うのだが、それぞれについての語彙が貧困すぎて困る。勢いストーリーについて語るしかないのだが、玉子の妖精が実は妄想でしたというのもどこかで聞いたことのあるオチだし、田崎くんは圧倒的成長をしているけれども全体として大きな役割を果たしたわけでもなく、てんでバラバラな立場のクラスメイトが奇跡的に一致団結して協力するというよりは皆さん普通に場のノリで「やっちゃおっか」ってなってるし。いやまあ観ている最中はけっこう楽しかったのだけれど、いざ冷静に振り返るとなかなかちゃんと褒めるのって難しいものだ。

ここでぱったりと手が止まってしまったので、今日のところはひとまずこれで終わりにしておく(投げやりすぎる)。何か思いついたらまた書くこととしよう。