あえて告白しよう。もはや前の話を覚えていない。もしかしたら同じくだりをどこかで書いたかもしれないが、それも覚えていない。
しかし覚えていなくとも読めるのが物語シリーズの特色といってもよい。むしろ微に入り細に入り覚えていると物語の整合性が気になり始めるという噂があるので、ところどころ忘れながら読む方が正しいといっても過言ではなかろう。
今回は千石撫子の物語だ。私の(甚だ怪しい)記憶によれば、千石撫子は呪われたかと思いきや神になり、その座を追われたかと思いきや不登校になるというまさに波乱万丈の人生を送っている。そんな少女が最終的には一応の落ち着きを見るのが本作だ。あくまで「最終的には」だけれど。
でも、「最終的には」といっても15歳なのよねこの子。いやしかし15歳といえば孔子が学を志す年齢だからそんなに不思議でもないのか。15歳でプロの世界に入る人もいるし何なら最近は1桁の年齢で起業する子だっていると聞いたことがある。恐ろしいことだ。