雑記

雑な記録。略して雑記。

今日の帰途

本日は帰りがけに思わぬ豪雨に見舞われた。ここ数日天気が不安定である。晴れていたと思ったら雨が降ったり、逆もまたあり。やれやれである。

とはいえ、雨宿りがてら買い物をしても空の猛威は衰える気配を見せず、仕方なく帰り道をとぼとぼと歩いた。靴の中に水が遠慮呵責なく侵入し、ズボンが湿って重くなる。車の跳ねる飛沫にも気をつけなければならない。空模様と同じような心持ちになる。これではクリーニングに出したスーツも回収できやしない。

しかも雨の音は物思いを加速させるのだ。ザアザアという音が鼓膜を覆い、やがて脳髄を支配して、いつの間にか思考が好き勝手に走り回る。ますます憂鬱だ。

かくして、玄関の扉をくぐる頃には身も心もズタボロだった。しかも帰ったからといって誰がいるわけでもない。黙々と濡れた靴や服を乾かす。それがまた実家にいた頃を思い出させる。

ご飯の用意などされているわけもなく、コーヒーメーカーの電源がつけっぱなしになっているのを消し、なおざりな料理を始める。肉と野菜を炒める以外ほとんど何もしないので料理といっていいかは定かではない。

米も炊いていなかったので冷凍ご飯をレンジに入れる。ボタンを押す音が自分一人の家に響く。そこでふと気づいた。雨の音がしない。

外を見たら、水たまりはもう動いていなかった。手早く身支度を済ませ、回収を諦めていたスーツを救いに出かける。Tシャツ・ジャージ・サンダルだけれど、何、誰が見ているわけでもない。

スーツを受け取り、自宅へと足を向ける。西に目をやると、雲間から橙色の輝きが見えた。さて、帰って家事に励むとするか。