雑記

雑な記録。略して雑記。

雇用保険の思い出

先日の記事を書いていて、雇用保険関係の仕事をしていた時代をふと思い出した。
当時は苦労することが多かったけれど、今となっては懐かしい。
もしかしたらまた同じような部署に回されるかもしれないので、復習がてら、少し振り返ってみる。
(注:言うまでもなく私個人の思い出話なので、情報として活用される場合はハローワークなどに聞いて裏を取りましょう。)


  • 1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者が雇用保険に入る

「31日以上雇用見込みのある労働者が雇用保険に入る」と並んで基本中の基本なのだが、「31日以上〜」は忘れていても問題になるケースが少ないのに対して、「1週間の所定労働時間が20時間以上」は脳髄に叩き込んでおかないと厄介なことになりがちである。あくまで1週間単位で見るので、月や年といった違う単位で労働時間が定められていたら週単位に直さないといけなかったり、「所定」労働時間なので、実働で20時間未満だからといって雇用保険に入れないわけじゃなかったり、何かとややこしい。

知らないと大損害を被るケースがある。というのは、役員の方が知らず知らず雇用保険に入っていて、そのまま退職までいってしまい、そこで初めて役員だと判明すると、役員になったとき(最初から役員だったらそのとき)に遡って雇用保険から抜けないといけないのである。それだけなら退職した方が失業給付を受けられないというだけだが、実は過去に支払った雇用保険料の還付は2年までしか受けられないのだ(※)。たとえば10年役員でその間ずっと雇用保険に入っていたとすると、8年は完全に浪費ということになる。お金はちょっとしか返してもらえず、雇用保険に入っていた記録は全て抹消される。目も当てられない。

※この文はちょっと正確ではない。第一に、退職直前に役員になっていたのであれば、失業給付を受けられる可能性はある。第二に、年度単位で保険料を納めているので、還付はぴったり2年分とは限らない。

法人の役員より該当する事例は少ないだろうが、これも知らないと上と同じような痛い目に遭いうる。
ちなみに法人の役員も同居の親族も「原則」がついていることから分かるように、例外的に雇用保険に入ることもある。この手続きがまた面倒臭い。よって割愛する。

  • 労働契約期間満了による退職は条件によって失業給付を受けられる日数などが変わる

「労働契約期間満了による退職」と一口に言っても、
①更新の有無が明示されていたか
②3年以上契約していたかどうか
③本人が契約の更新を希望していたかどうか
④雇い止めの通知があったか
などによって失業給付を受けられる日数などが変わる。
「労働契約期間満了」という退職事由に限ってもこれだけ考えなければいけない要素があるので、一般に「退職したら失業給付はどうなるのか」という質問は答えるのは本当に難しい。ハローワークに行くとパンフレットやしおりがあるので、そちらを見るのが概要を知るにはいいだろう。



他にも色々とあったような気はするけれど、ぱっと思いついてここに書けるのはこれくらいである。


しかし、風の噂で聞いたところによると、雇用保険法も今年度けっこう変わるようだ。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120714.html
雇用保険料率が下がったり、65歳以上の方も雇用保険の対象になったり、役所側も事業側も計算や手続きが大変そうだ。
と、他人事のように書いたけれど、よく考えたら、また社労士の試験を受けるとすると、このあたりもちゃんと頭に入れておかなければならないのか。


参ったなあと思いつつ、とはいえこういう面倒な制度は勉強しておくと自分や他人の役に立つこともあるものだと前向きに考えることにする。嫌にならない程度にがんばろー