のほほん
ふとこの1ヶ月ばかりを振り返ると少し憂鬱が過ぎるように思えてきましたので、緩和するべく気が抜ける話をします。
まず、ここ最近お風呂に入るようになりました。
我が家のお風呂は築年数が古いわりには面白い仕掛けがありまして、湯船にお湯を注ぎ、ある一定量に達すると音が鳴ります。特に耳に心地いい音でもなく、中途半端に長いので、「本当に鳴り止むのか」と毎回疑心暗鬼になりますが、ちょっと不安になってきたところでパタッと止まるのでその落差が面白いと言えば面白い。また、毎度ハラハラさせられながらも決して裏切られはしないので、少しずつ信頼関係が築けているような気持ちになれます。
当初は「シャワーで全身洗えるのになぜ水道料を払ってまで湯に浸かろうとするのか」などと反骨精神旺盛でしたが、近頃とみに寒くなりましてあっさりと宗旨替えしました。逆に考えれば蛇口をひねって待つだけであれほどの快楽を生み出せるのはすごい。「風呂は命の洗濯」とはよく言ったものです。
次に、家計簿をつけるのをやめました。
9月までコツコツつけていましたが、目を見張るような変化があるはずもなく、淡々と暮らすとこの程度の支出になるということが分かりましたので打ち切りました。とはいえ家計簿を見ているとその日何をしたのか思い出しやすくなりますので、備忘録としては有効だと思います。ついでに家計簿を放棄した結果衝動買いの発作がまた襲ってきつつありますので、歯止めがないと浪費してしまう方はつけるといいでしょう。私はもう諦めました。
最後に、カモミールティーを発掘しました。
引越しにあたって母がいろいろと物資を恵んでくれたのですが、棚の奥に眠っていました。私は夕方以降カフェインを摂ると眠れなくなることが多いので、カフェインフリーのカモミールティーは安心して飲めます。いつも水ばかりでは味気ないので重宝しております。母に感謝。
いま思いついた話はこれくらいですが、小さな幸せは見落とさなければそれなりにあると思いますので、拾い損ねないようにしたいものです。
北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』、住野よる『また、同じ夢を見ていた』
ちょこちょこ読書はしているのだけれど、ずっと記録を放置してきたので、これからは何冊かずつ紹介することを考えている。 もしかしたら重複することもあるかもしれないがご寛恕願いたい。
さて、今回のテーマは「後悔」である。人は何かしら後悔を抱えて生きている。あのときああしていれば。たらればをいくら云々しても過去は微動だにしないのだけれど、それでも考えずにはいられない。
こちらを「後悔」というテーマで取り上げると、軽いノリで仕事をやめたことを後悔する話なのかと語弊を生むかもしれないが、それは違う。あまり突っ込むとネタバレになってしまうが、つまるところ仕事で失敗して後悔するあまり「自分なんていないほうがいいのだ」と思うことほど馬鹿げたことはない。それで本当にいなくなって残された者の後悔はどれほどであろう。
pha氏の言葉を引用すれば、
死なないこと以上に大事なことなんて人生にはない。
仕事なんて命に比べたらどうでもいい。人間は仕事のために生きてるわけじゃないし、仕事なんて人生を豊かにするための一つの手段にすぎないんだから。
ということになる。何があっても死んではいけない。いのちをだいじに。
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 16人 クリック: 1,642回
- この商品を含むブログ (102件) を見る
両親と喧嘩別れした南さんというキャラクターが出てくる。南さんはずっと後悔していて、手首に幾筋も傷をつけ、そんななか主人公である小学生の女の子(南さん曰く「ガキ」)と出会う。そしてガキが自分と同じような状況に置かれていることを知り、南さんはガキに仲直りしろと説得する過程で叫ぶ。
「ずっと後悔することになるんだぞ!」
(中略)
「後悔、してる。ずっと、後悔、してるんだ。あの時、なんで謝れなかったのかって。もう、喧嘩も出来なくなった。怒ってもらうことも出来なくなった。夜ご飯も一緒に、食べられなく、なった」
(中略)
「私は、もう謝ることも出来ない。だから、頼む」
私は後悔しても自分を傷つけるだけで何も生まず、そのことでまた自分を傷つけて、相変わらずまだ後悔していて、ぐるぐるぐるぐる回るだけで後悔することに何も意味なんてないと思っていたのだけれど、そうして忘れないでいれば、いつかまた自分と同じ過ちに陥りそうな者に注意できるのかもしれない。そのためにこの身に後悔を刻んでいるのかもしれない。こじつけもいいところだけれど、そういう考え方もあるということで。
そうして取り戻せない後悔について考えていたら、orangeのことも思い出した。不用意な一言でお母さんを亡くしてしまった翔の物語は、思い出すたびに私を揺らがせる。なお、Amazonプライム会員であればAmazon Videoでアニメも観られる。