雑記

雑な記録。略して雑記。

小説

海を眺めながら

あまりにもすることがなく、島の名を擁する公園に行ってきた。本当に島というわけではなく、陸と砂の道で結ばれている。 歩いて1時間くらいで辿りついただろうか。その公園の掲示を見つけてからが長かった。某隊の敷地沿いに延々と歩き、釣り人を眺めていた…

レイ・ブラッドベリ(著)宇野利泰(訳)『華氏451度』

華氏451度 (ハヤカワ文庫SF) 作者: レイブラッドベリ,Ray Bradbury,宇野利泰 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2008/11 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 115回 この商品を含むブログ (102件) を見る 数ヶ月前、たまたま弊社の説明会に来られたお若い…

「サクラクエスト」、ウェルズ(著)池央耿(訳)『タイムマシン』

魔の山へ メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログ (3件) を見る 良い感じの商品がパッと見つからなかったので第一話を貼り付けました。 今更ですがトーマス・マンの『魔の山』が何か関係あるのでしょうか。ドイツ語の授業で冒頭の冒頭だけ読んだ記憶が…

武者小路実篤『友情』

友情 (新潮文庫) 作者: 武者小路実篤 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1947/12/29 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 90回 この商品を含むブログ (88件) を見る 読み終わった直後は失恋した野島に涙を禁じえませんでした。 ただ失恋しただけでなく、唯一…

吉本ばなな『キッチン』

ふと大昔に途中まで読んで放り出していた小説を読んだ。 キッチン (新潮文庫) 作者: 吉本ばなな 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2002/06 メディア: 文庫 クリック: 29回 この商品を含むブログ (84件) を見る 目次に並んでいるのは以下の4つ。 キッチン 満…

ヘミングウェイ『老人と海』、pha『人生にゆとりを生み出す知の整理術』

2018年はもっとてきとーに更新することも自分に許すことでもう少しちゃんと記録していこうと思います。2017年は読んだのに何も記録に残していないことが多すぎました。 老人と海 (新潮文庫) 作者: ヘミングウェイ,福田恆存 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: …

2017年に読んで印象に残った小説・漫画各3冊と2018年の展望

年末年始は海外に高飛びしておりまして、2017年を振り返る間もなく年が明けてしまい現在に至っています。 今更ながら2017年を振り返って印象に残った小説と漫画3冊ずつを挙げておきます。といっても3歩歩いたら忘れる鳥頭なので、何もしないと年末に読んだ本…

pha『ひきこもらない』、秋川滝美・しわすだ『居酒屋ぼったくり2』、坂戸佐兵衛・旅井とり『めしばな刑事タチバナ26』

世間はお盆休みである。帰省される方がさぞかし多いことであろう。 いっぽう、私にとってはただの3連休である。もちろん帰省してもいいけれど、来週も再来週も週末に実家に泊まる予定の身としては些か味が悪い。 しかし帰省しなければしないで特にすることが…

北方謙三『水滸伝』

貴君、終わったよ、終わった 先日まで「四畳半神話大系」のアニメを観ていた身としては、そんな台詞を吐きたくなります。 水滸伝 文庫版 全19巻+読本 完結BOXセット (集英社文庫) 作者: 北方謙三 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2008/04/23 メディア: 文庫…

宮部みゆき『火車』

火車 (新潮文庫) 作者: 宮部みゆき 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1998/01/30 メディア: 文庫 購入: 47人 クリック: 454回 この商品を含むブログ (456件) を見る 新潮文庫にして、およそ700頁弱。中々の長編である。 しかし二転三転する展開は読者を次の…

推薦図書

先輩、友人、後輩に近頃薦めてもらった書籍を備忘として貼っておきます。 その日のまえに (文春文庫)作者: 重松清出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/09/03メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 114回この商品を含むブログ (71件) を見る日曜日の夕刊 (新…

うめざわしゅん『パンティストッキングのような空の下』、伊坂光太郎『砂漠』

パンティストッキングのような空の下 作者: うめざわしゅん 出版社/メーカー: まみあな出版 発売日: 2016/01/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 身も蓋もないような、考えさせられるような。そんな作品です。 特に「唯一者たち」の最後の方…

北方謙三『水滸伝』、森博嗣『すべてがFになる』

埋没するのは容易く脱出するのは難しい。 それがシリーズ物である。まるで麻薬のようだ。 2017年は手を広げようと思っていたが、年末から2つのシリーズ物に迂闊にも手を出してしまったせいで、そちらの片が付くまで他に取りかかれそうにない。 水滸伝 一 曙…

森見登美彦「山月記」(『新釈走れメロス』所収)、萩原浩「成人式」(『海の見える理髪店』所収)

あのときああしていたら。 あのときああしなければ。 「たられば」で歴史を語るべからずとはよく言いますが、よく言われるということは逆説的にそれだけ「たられば」に人は陥るということです。 仮定の話が意味をなすのは、それが未来に現れうるときだけ。 …

中島敦『山月記』、森博嗣『喜嶋先生の静かな世界』、東村アキコ『かくかくしかじか』

我々はしばしば自分のことだけ考えてしまう。 それが良いか悪いかは何とも言えない。 でも、時として、己を貫き通した結果、他人を傷つけてしまうことがある。しかも、己を貫き通したにもかかわらず何ら成果を挙げられず、結局自分を傷つけることもある。 と…

施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』、玉川重機『草子ブックガイド』

本を読むことが億劫になっていた時期があった。 自分は読んでも読んでも忘れるのだ。 周りの方々は読んだ本についてすらすら語れるのに、自分は固有名詞からまず出てこない。 こんなんなら、読んでも仕方ないんじゃないか。 そう考えて、距離を置いたことも…

夏川草介『神様のカルテ0』、辻村深月『島はぼくらと』

田舎。 私には縁がないと思っていた。 しかし、気づいたら「田舎」と(少なくとも東京では)称されるところに住むことになった。 「田舎」と言えば何をイメージするだろう。 閉鎖的な人間関係。閑散とした商店街。出ていく若者。残される高齢者。 私の貧困な…

北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』、住野よる『また、同じ夢を見ていた』

ちょこちょこ読書はしているのだけれど、ずっと記録を放置してきたので、これからは何冊かずつ紹介することを考えている。 もしかしたら重複することもあるかもしれないがご寛恕願いたい。 さて、今回のテーマは「後悔」である。人は何かしら後悔を抱えて生…

メメントモリ

前回の記事を2回投稿するというヘマをやらかしていた。「お粗末」というタイトルにしただけはある。 さて、今回のタイトルは「メメントモリ(memento mori)」。ラテン語で「死を忘れるな」。学生時代には知識としてあったものの意識にのぼってくることはほ…

西尾維新『撫物語』

撫物語 (講談社BOX) 作者: 西尾維新,VOFAN 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/07/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る あえて告白しよう。もはや前の話を覚えていない。もしかしたら同じくだりをどこかで書いたかも…

村田沙耶香『コンビニ人間』

コンビニ人間 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 芥川賞受賞作である。 しかし、『りゅうおうのおしごと!』の後に読む本ではなかったかもしれない。『りゅうおうのおしご…

島田荘司『占星術殺人事件』

占星術殺人事件 (講談社文庫) 作者: 島田荘司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1987/07/08 メディア: 文庫 購入: 12人 クリック: 122回 この商品を含むブログ (164件) を見る お試し受験に近いとはいえ多少は社労士の勉強をしているので、日記以外で文章を…

ドルリー・レーン四部作(の非常に個人的な感想)

Xの悲劇 (角川文庫) 作者: エラリー・クイーン,越前敏弥 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング 発売日: 2009/01/24 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (42件) を見る Yの悲劇 (角川文庫 ク 19-2) 作者: エラリー・クイ…

島田荘司『斜め屋敷の犯罪』

斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫) 作者: 島田荘司 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1992/07/03 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 11回 この商品を含むブログ (84件) を見る 友人に頂いた一冊である。頂いたのは随分と前だったが、最近になって漸く手を出すこ…

『世界の童話全集』

『世界の童話全集・41作品⇒1冊』作者: グリム兄弟,アンデルセン,アミーチス,ウィーダ,レフ・トルストイ,新美南吉,小川未明,宮沢賢治出版社/メーカー: 世界の童話全集・出版委員会発売日: 2014/11/03メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 幼い頃はあ…

西尾維新『愚物語』

愚物語 (講談社BOX)作者: 西尾維新,VOFAN出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/10/06メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (5件) を見る 昨日に引き続き、終わりの見えないシリーズである。FINAL SEASONが終わったのに、なぜ新刊が出ている…

東野圭吾『名探偵の掟』

名探偵の掟 (講談社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 講談社発売日: 1999/07/15メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 147回この商品を含むブログ (234件) を見る ここに貼り付けて気付いた。発売日がまさかの1990年代である。東野圭吾氏というと最近の作…

アンディ・ウィアー『火星の人』

火星の人作者: アンディウィアー出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/09/30メディア: Kindle版この商品を含むブログ (7件) を見る 『バーナード嬢曰く。』で出てきて面白そうだったので、電子書籍で買ってみた。上ではKindle版となっているけれども、私が…

久保寺健彦『ハロワ!』

ハロワ! (集英社文庫)作者: 久保寺健彦出版社/メーカー: 集英社発売日: 2014/03/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るhontoの電子書籍で読んだ。自分の仕事に何か役に立つかもしれないと思って。一つ一つが時系列として連続してはいるけれども…

伊藤計劃『ハーモニー』

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/12/08メディア: 文庫購入: 28人 クリック: 406回この商品を含むブログ (261件) を見る 伊藤計劃氏の作品が映像化されていると聞き、先日の『虐殺器官』に続いて読んでみた…