再読。
焦ってはいけません。こつこつ、こつこつです。
運があるとかないとか、持って生まれたものだとか、考えてもしかたのないことを考えはじめたら、ほんとうに見なきゃいけないことを見失ってしまいそうだった。
嫉妬は、されるよりするほうがつらい。
僕には才能がない。そう言ってしまうのは、いっそ楽だった。でも、調律師に必要なのは、才能じゃない。少なくとも、今の段階で必要なのは、才能じゃない。そう思うことで自分を励ましてきた。才能という言葉で紛らわせてはいけない。あきらめる口実に使うわけにはいかない。
努力は、元を取ろうとするから小さく収まってしまう。自分の頭で考えられる範囲内で回収しようとするから、努力は努力のままなのだ。それを努力と思わずにできるから、想像を超えて可能性が広がっていくんだと思う。
才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。
読み直してみると心に響く言葉が思いのほかたくさんあった。登場人物全てがどこか浮世離れしていて、それがとてもいい。自分がいかに俗世に染まってしまっていたかを自覚させられた。
ピアノ繋がりでまた『四月は君の嘘』も読みたくなってきた。
四月は君の嘘 コミック 全11巻完結セット コミック (講談社コミックス月刊マガジン)
- 作者: 新川直司
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