北方謙三『水滸伝』、森博嗣『すべてがFになる』
埋没するのは容易く脱出するのは難しい。
それがシリーズ物である。まるで麻薬のようだ。
2017年は手を広げようと思っていたが、年末から2つのシリーズ物に迂闊にも手を出してしまったせいで、そちらの片が付くまで他に取りかかれそうにない。
一つ目は、北方水滸伝である。高校生か大学生のときに一度通読したものの、また読みたくなって手を出してしまった。たぶんモヤモヤしたものを吹っ飛ばしたくなり、こういう熱い物語を読みたくなったのだろう。年末は何かと過去を振り返ってしまうから。
19巻と長くはあるが、1巻1巻はさほど重くないので、するする読める。そこがまた憎い。手が止まらないのだ。
おまえがまずやることは、旅をしながら体力を回復することだ。それから、心の傷を内側に閉じこめておけるようになることだ。冷たい言い方かもしれぬが。
(魯智深が奥方を亡くした林冲に放った台詞である。あるいは悲しみ一般に当てはまることかもしれない。)
二つ目は森博嗣のS&Mシリーズである。こちらは『喜嶋先生の静かな世界』を読んで、また森博嗣の作品を読みたくなったというのが籠絡されたきっかけである。北方水滸伝とは異なり熱い物語ではないけれど、どこか純粋であるという点では似ている。
こちらは10巻だが、北方水滸伝より1巻1巻が重いので、なんだかんだ同じくらいのタイミングで読了しそうな予感がしている。
意味のないジョークが、最高なんだ。
この犀川先生の思想には大いに共感するところがある。ジョークたるもの空虚であるべし。
よくよく考えると、こちらが2017年最初の記事だった。今年もよろしくお願いします。
2017年の目標
2017年になりました。
今年は転居を伴う異動はないと信じておりますので、昨年より自己陶冶に時間がかけられるはずです。そんなことを言ってフラグになってしまわなければよいのですが。
そんなわけで、2017年の目標その1は、
・「社労士合格」
です。昨年は辛うじて異動でバタバタしていたという言い訳が立った(?)ものの、今年は言い逃れできません。崖っぷちです。まずは申し込みを忘れないところから。4月……でしたっけ?(不穏)
目標その2は、2016年は孤独だ孤独だと言い募るばかりで余りにも内向きだったので、
・「知人を1人増やす」
です。最初は5人にしようかと思いましたが、3ヶ月に1人以上のペースで知人が増えることを想像できませんでした←
無論1と5の間には2、3、4という自然数が存在しますが、2016年、散々己と向き合ってきて、最早己のスペシャリストと言っても過言ではない私が考えに考えた結果、1人が妥当だという結論が弾き出されました。間違いありません。
目標その3は、昨年は母校のOB合宿の時以外全く将棋に触れられなかったので、
・「将棋倶楽部24のレーティングを1900にする」
です。以前は2000あったこともありましたが、今は1750ですので、1900くらいが適度な難易度の目標かと。ウォーズは3切れと10秒では四段を達成していたので、気が向いたら10分でも四段を達成できればいいですね。あと自分が持っている金子タカシ『◯◯の手筋200』シリーズを一周するのも密かな目標としておきます。
- 作者: 金子タカシ
- 出版社/メーカー: 浅川書房
- 発売日: 2010/04/10
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
- 作者: 金子タカシ
- 出版社/メーカー: 浅川書房
- 発売日: 2013/04/03
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 作者: 金子タカシ
- 出版社/メーカー: 浅川書房
- 発売日: 2010/12/01
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
目標その4は、昨年はボチボチ読書できましたので今年も引き続き頑張りたいということで、
・「1年に12冊、漫画以外の書籍を通読する」
です。漫画は呼吸するのと同じくらい自然に読んでいるので、漫画以外の書物を1ヶ月に1冊のペースで通読できればと。敢えて「通読」としているのはつまみ食いで満足してしまう(放置してしまう)ことが多々あるからです(それがダメというわけではありませんが)。漫画は何冊という目標はありませんが、今までは読んでそのまま放ったらかしで気付いたら内容を忘れていることが多かったので、読んだら読みっぱなしという現状から脱せるように頑張ります。
目標その5は、2017年は素数の年ということなので、
・「芹沢正三『素数入門』を一周する」
です。ずっと積ん読になっていたので、これを機会に消化したい。ついでに他の気になっている素数関連図書にも手を出せると嬉しいです。
- 作者: 芹沢正三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/10/18
- メディア: 新書
- 購入: 7人 クリック: 89回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
以上、仕事(資格)、人間関係、趣味(将棋、読書)でそれぞれ2017年の具体的な目標を立ててみました。そこそこ頑張れば全て達成できそうですが(知人を1人増やすのは巡り合わせもありますが)、 果たして。
なお、抽象的な目標は「家族、旧友(先輩後輩含む)を大事にする」「他人と自分を比較しないようにし、自分に自信を持ち、他人を尊重する」「整理整頓する」「健康を維持する」「生活能力を高める」「世間に興味を持つ」「知的にも肉体的にもマッチョになる」など数限りなくありますが、あまり2017年特有の目標ではありませんので、ノートか何かに羅列しておいて日々気をつけることとします。
それでは今年もよろしくお願いいたします。
今年を振り返って
気づけばもう年末です。
今年も悔いの多い一年でした。
「後悔しないように」とは巷でよく聞く台詞ですが、そんなことは少なくとも私には不可能です。
選択肢が一つしかないことなんてありません。
選べる選択肢が一つとも限りません。
他の選択肢があったのではないか。
何か他にもできることがあったのではないか。
そう思わないことはありません。
しかし、そう思ったとしても、その思いを背負って生きていくほかありません。
後悔を少しでも小さくする努力を欠かさぬと共に、後悔してなお前を向ける強さを手に入れたいものです。
それはさておき、過去から教訓を得ることも大事なことです。
ですので、いささか早いですが、四半期ごとに今年を振り返ります。
まず1〜3月で最も大きな出来事は「引っ越した3日後に異動を告げられた」ということ以外にないでしょう。
「どうしてこうなった」という思いは今でも拭えませんが、こうして落ち着いてみると「気持ちを切り替える」という意味ではよかったと思えます。
話のネタにもなりましたしね。この話をして笑わない方はいない。「他人の不幸は蜜の味とはこのことか」と感心した次第です。
次の4〜6月のクライマックスは「異動早々に最終退庁者になった」ということでしょう。
田舎なので深夜に帰ると星空が綺麗だったことをよく覚えています。
いかに荒んでも自然の美しさに感動できるうちは大丈夫だと思えました。
そして7〜9月は「夏休みを利用して福井・香川の友人に会いに行った」ということが(支出的にも)最大のイベントでした。
一人旅なるものを初めてしましたところ、慮外に気に入りましたので、また行きたいものです。
友人とも再会を誓えたので、また暇ができたら出かけよう。
最後に10〜12月は「自転車で派手に転んだ」ということが(肉体的にも)一番インパクトがあった事件でした。
己の弱さを再確認するとともに、医療現場を見て少しだけ熱意をいただきました。
すぐに変われるわけはないでしょうけれど、一歩ずつ進んでいきたいものです。
ハイライト方式で振り返ると、今年は大変だったことが4分の3を占めております。
頭のねじが一本外れているのか、いつまでたっても油断大敵ということを覚えませんので、ハプニングが尽きません。
とはいえ、周りの方々に助けていただきながら、どうにかこうにか延命しています。
きっと来年もそんな感じでサバイブしていくのでしょう。
せめて少しでも恩を返せるよう、精進を重ねていく所存です。
人間
己の中の人間の心がすっかり消えて了えば、恐らく、その方が、己はしあわせになれるだろう。だのに、己の中の人間は、その事を、此の上なく恐しく感じているのだ。ああ、全く、どんなに、恐しく、哀しく、切なく思っているだろう!
一人で引きこもっている時間が長くなると、全てがどうでもよくなる時がある。
その時、『山月記』のこの一節を思い出す。
獣として、何も考えずただ生きていれば、確かにしあわせかもしれない。だが、人間として、それは何と恐しく、哀しく、切ないことだろう。
そのことを忘れないでいたい。
- 作者: 中島敦
- 発売日: 2012/09/27
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
福本伸行『アカギ』、『中間管理録トネガワ』
「ざわ・・・ざわ・・・」をはじめとする独特な表現で人々を魅了してきた福本作品ではあるが、まさかスピンオフであるとはいえ「このマンガがすごい!」で1位を獲得する日が来るとは思っていなかった。
というかこの作品が1位で大丈夫なのだろうか。
言っちゃなんだが完全にギャグマンガなのだが・・・
とはいえ面白いのは紛れもない事実である。
原作では「もはやギャグだろ」としか思えないような大仰な表現を用いながらも飽くまで真剣勝負として描いていたのに対し、本当にギャグにしてしまったのが本作と言えよう。
ネットで数々のネタにされていたことからもポテンシャルは感じられていたが、作品にしたらまさかこんなにギャグにハマるとは。むしろこちらのほうが表現に沿った作品なのではないかと思ってしまう。
本家の作品も新刊が出ていた。
「1話で1牌打つか打たないか」で賭けが成立しかねないほどに進行が遅いことに定評がある『アカギ』だが、33巻でも期待を裏切らず数牌だけ打って終わった。
一体何巻でどんな終わりを迎えるのだろう。
吾妻ひでお『失踪日記』『失踪日記2アル中病棟』、卯月妙子『人間仮免中』『人間仮免中つづき』
生活リズムが乱れていたせいか、孤独な生活を長く続けすぎたせいか、何となく気分が落ち込むことが増えていた。
しかし己より遥かに酷い境遇にある方々がそれでも前向きに生きているのを見ると、ほんの少しだけ元気が湧いてくる。
今回はそんな漫画を紹介する。
鬱や不安で突然仕事を放り出して失踪したり、酒浸りになった末にアル中病棟にぶちこまれたりする様をコミカルに描いている。
これだけ悲惨な目にあっても笑えるように描けるということに凄みを感じた。
吾妻ひでおのようにコミカルには描いていないけれども、統合失調症になり身も心も打ちのめされているにもかかわらず前向きに生きていこうという様が伝わってくる。
読むと暫く呆然としてしまうくらいには力強い。
どうでもいいが、どちらも1巻と2巻の色合いが似ている。最初は出版社が同じだからかと思ったが、『人間仮免中つづき』はイースト・プレスからではなく小学館から出ている。ふーむ。
keep early hours
「早起きは三文の得」という言葉がある。
実際には早く起きてもお金を落とすこともあれば事故に遭うこともあるのだが、しかし健康に良いことは確かだ。
早く起きれば早く寝てまた早く起きるため、自然と早寝早起きの規則正しい生活をするようになる。
早く起きれば朝食も早い時間に摂るため、昼休みには空腹になっており飯が美味い。
良いことづくめである。
そのことを最近実感した。
ということは、つまり最近は生活リズムが乱れていたということだ。
おかげさまで肌は荒れ、こちらの記事も書かなくなり、心身ともにボロボロだった。
この土日になってようやく一息ついた気分である。
また年末に向けてバタバタするが、生活リズムはあまり乱さないように気をつけよう。