dive!!
- 作者: 森絵都,影山徹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2006/05/26
- メディア: 文庫
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- 発売日: 2006/05/26
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友人にずっと借りっぱなしだった。
今まで読まなかったことにこれといった理由はない。
他にも読む物がたくさんあったので、ついつい読むのを忘れていただけだ。
しかし、春休みになった。
いい加減返さないと友人にも申し訳ない。
そういうわけで、僕は読み始めた。
角川文庫の上巻の解説であさのあつこさんが書き出しを絶賛しているが、確かにこの小説は書き出しが良い。
「少年はその一瞬を待っていた」
無論、書きだしだけで小説の価値が決まるわけではない。
『雪国』だって「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」だけが独り歩きしているが、書き出しだけじゃノーベル賞作家の代表作にはなるまい(まあ、実は読んだことがないのだが笑)。
その後があってこそ、書き出しも活きる。
『DIVE!!』も、書き出しからの流れが素晴らしい。
体言止めが少し多いが、しかしそれが風景を想起させるのに良い効果を発揮している。
心理描写も巧みで、感想を一言で纏めるなら「生き生きとした小説」ということになるだろう。
森絵都は以前に紹介した『風に舞いあがるビニールシート』しか読んだことがなかったので、しんみりした雰囲気の作品を描く人だという印象を持っていたが、『DIVE!!』によってその印象は一変した。
何せ、スポ根である。しかも、飛び込みなどというマイナー競技(失礼)の。
メジャー競技なら読み手は共感しやすい。
しかし、マイナー競技となると、読み手は共感どころかそのスポーツをイメージすることすら難しい。
それをこの作品では見事にやってのけている。その競技を今まで殆ど知らなかった読み手を熱くさせる。すごい腕力(いや、筆力か)である。
ついつい褒めすぎてしまった。スポーツ小説を読みたいという人におすすめの一作である。
余談をしよう。
この小説は妙に色んな漫画を思い出させる。
まず、「ダイブ!」で『ハチワンダイバー』を(笑)。
次に、スポーツを通して少年たちの葛藤を描くという点で『ホイッスル』を。
最後に、知らない競技についてのフィクションであるのに、それでも読んでいて感動してしまうという点で『ヒカルの碁』を。
こういう緩やかな形で作品同士が繋がっていくのは面白い。
- 作者: 児玉聡,なつたか
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2013/02/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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マンガの部分だけ読んだ。
呆気にとられるくらいベタベタな展開だが、「マンガでお勉強」といったシリーズにしては頑張っていると思う(偉そうですね、ごめんなさい)。
個人的には生命倫理に関連した小説や映画を紹介しているところに好感を覚えた。
これから解説の部分に入る予定である。2見開きで手短に纏めてくれているので、どうにか読めそうだ。