「サクラクエスト」、ウェルズ(著)池央耿(訳)『タイムマシン』
良い感じの商品がパッと見つからなかったので第一話を貼り付けました。
今更ですがトーマス・マンの『魔の山』が何か関係あるのでしょうか。ドイツ語の授業で冒頭の冒頭だけ読んだ記憶がありますが、読んだ記憶があるだけで内容の記憶はないので何とも言えません。
「よそ者を受け入れ、絶えず変化し生き残っていく」
そんなことを最後に会長が言っていましたが、これは地方都市だけでなく、都会にも、あるいは人間にも当てはまることかもしれません。
理解できるものに囲まれている環境は心地よいですが、いつしか硬直し、衰退してしまいます。由乃が訪れる前の間野山のように。
たまたま読んでいたウェルズの『タイムマシン』にも重なるものがありました。
万能の知性というのは、変化、危険、困難の代償で、つまりは自然の法則なのだが、とかく人はこのことを見落としがちだ。環境に文句なく適応している生き物は完璧な機械装置だよ。習性や本能が働いているうちは、自然は知性を喚起しない。変化、もしくは変化の要求がないところに知性は育たない。種々さまざまな必要と危険に否応もなく向き合う生き物だけが知性に覚醒する。
さらに連想を膨らませれば、『もやしもん』の金城さんが言っていた守礼の国沖縄のモットーが浮かびます。
怒っていいのは先祖からのこの地に不幸をもたらす者が居座った時だけ
でも争うのでなく時をじっくりかけてでもその者にいつか必ずやお帰りを願え
とがっていては折れてしまう
訪れる者のすべてをまず受け入れなさい
異質なものを受け入れる柔軟さとか余裕とかを忘れずにいたいものです。