ウィトゲンシュタイン
随分と前に購入した飯田隆先生の『ウィトゲンシュタイン』をふと読み始めた。
- 作者: 飯田隆
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「第一章から第二一章まで続けて読めばいちおうはストーリーらしきものになるように排列してはあるが、本来、これらはそれぞれ、比較的独立した『エッセイ』となることを意図して書かれたものである(ただし、例外がないわけではない)。
『エッセイ』である以上、気軽に読めるものでなくてはならないだろう。そして、気軽に読めるものを書くには、何よりも、書く方が気軽に書くことが大事だろう。そこで、できるだけ気軽に書こうとしたのだが、ウィトゲンシュタインについて気軽に書くことは何といってもむずかしかった。気軽に書けるような哲学者ではないのだという、こころの底ではよく知っていたはずのことを再確認するだけのこととなった。だから、結局はあまり気軽に読めるものにはなっていないのではないかとおそれるが、私の感じでは、どの『エッセイ』も最初の部分は比較的とっつきやすいのではないかと思う。どれかの章を読み出して途中で『もういいや』と思ったならば、ためらわず別の章に移ることをおすすめする」
毎章独立したエッセイであり、飽きたら途中で投げ出してよいと著者自ら太鼓判を押していることに惹かれて、人も哲学も難しいと名高いかの哲学者についての書物に取り組んでみた。しかし確かに読みやすくはあるものの、哲学の話になると途端に頭の中が疑問符だらけになる。ウィトゲンシュタインのエピソードは面白く読めたが、ウィトゲンシュタインの思考はざっと第一章から第二一章まで目を通した今でもまったく整理できていない。理論、科学、哲学、像などの言葉がぐるぐると脳内で飛び回っている。
この数年、ある程度整理されたものを吸収ばかりしていたせいか、自らのうちで情報を体系づけることが非常に不得手になっている気がしてならない。少しずつでも文章にしたり人に話してみたりすることが重要なのだろう。