雑記

雑な記録。略して雑記。

強さ

強いってなんですか?

『はじめの一歩』の主人公幕ノ内一歩がボクシングを始めるきっかけとなった問いである。
90巻を超えたあたりで放り出してしまって読んでいないけれど、一歩の中で答えは出たのだろうか。


もし私が同じ問いに対して答えを迫られたら何と返すだろう。
恐らくこの問いを「強い人とはどういう人か」と読み替えても問題はないと思うので、そう考えるとぱっと思いつくのは「勝つ人」だろうか。
ボクシングの試合で言っても、強い人というのは勝ち星を重ねる人のことのように思える。強ければ勝つ。勝てば強い。必要十分条件というやつだ。


しかし、勝つといっても判然としないことが多い。人生という壮大な単語を持ち出さずとも、たとえば議論でも何を以って勝ちとするかは不明瞭である。AさんとBさんの議論でAB双方が「勝った」と主張することなんてSNSを見ていれば日常茶飯事だ。


では、ボクシングと議論の差は何か。答えは簡単。勝ちが明確に定義されているかどうかである。
では勝ちをどう定義するか。
それは状況と人(人)次第である。どの部分を切り出して一勝負とするかという軸と、人または人々の価値観という軸がある。


しかし、どちらの軸も恣意的なので、「勝ちの価値とは?」というギャグに至る。
……不毛な話だった。

はじめの一歩(1) (講談社コミックス)

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