求職者支援制度
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い(ひょっとしたら)一躍脚光を浴びている(かもしれない)求職者支援制度について手元にある資料とネットを使ってまとめておきます。
概要
求職者支援制度とは、一行でまとめるなら、「雇用保険を受給できない離職者の方が、一定の要件を満たせば、月10万円の給付金を受けながら、受講料無料の職業訓練に通って就職を目指せる制度」です。
正直この一行だけ押さえておけば充分にも思えますが、成立過程やら今後の見通しやら気になりましたので、私なりに調べてみました。
年表
2008年 リーマンショック
2009年 緊急人材育成支援事業
2011年 求職者支援制度
2021年 求職者支援制度の特例措置
経緯
年表にありますとおり、2008年のリーマンショック後の不況対策の1つとして、「緊急人材育成支援事業」が2009年から時限措置として行われてきました。「緊急人材育成支援事業」も現在の求職者支援制度とほぼ同じ内容です。つまり、当初から対象は「雇用保険を受給できない離職者の方」でした。
なぜ「雇用保険を受給できない離職者の方」が対象なのか。
当時も今も雇用保険は受給要件を満たさないと受けられず、また、受給できる日数にも上限があります。リーマンショック後の不況下では雇用保険を受給できない方——非正規労働者であるために雇用保険適用対象外だったり、学校卒業後就職できなかったりした方——が大量におり、また、雇用保険を受給できたとしても失業が長期化する中で給付日数を使い果たしてしまった方もいました。
それなら生活保護があるのではないかと思われるかもしれません。しかし、生活保護は、生活保護法第4条にあるとおり、「生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われ」ます。つまり、親類やら他の制度やらを全て利用してもなお最低限度の生活を維持できなくなって初めて使えるということです。要は万策尽きないと使えません。「最後のセーフティーネット」と言われる所以です。また、当時は生活困窮者自立支援法も成立していませんでした。
そこで、緊急人材育成支援事業によって、雇用保険を受給できない離職者の方に訓練を受けていただくことで自立=就職に繋げようということになりました。
その後、2011年に緊急人材育成支援事業は時限措置から恒久的な制度に発展しました。それが求職者支援制度です。先述のとおり、雇用保険と生活保護の間の制度ですので、「第二のセーフティーネット」とも呼ばれます。
そして2020年から新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっており、その中で求職者支援制度の特例措置が今年(2021年)から設けられることになりました。特例措置は、ざっくり言えば、今般の事情を踏まえて、月10万円の給付金の受給要件を緩和し、訓練コースも拡充しますという内容です。
現行
上のリンクをご覧いただければ現行の求職者支援制度が理解できます。新たな雇用・訓練パッケージが出されたからか、以前よりもページが充実している気がします。
概要(「雇用保険を受給できない離職者の方が、一定の要件を満たせば、月10万円の給付金を受けながら、受講料無料の職業訓練に通って就職を目指せる制度」)では省いていたところを補うと、
- 雇用保険を受給できない離職者の方→自営業をされていたり雇用保険に入らないようなお仕事をされている方も対象になりえます。あくまで「なりえる」なので、仕事の都合で訓練に毎日通えないとか、給付金の受給要件を満たしていないとか、そういうことがあれば対象にならないこともあるでしょう。
- 一定の要件→「雇用保険と生活保護の間の制度」と前述しましたとおり、月10万円の給付金を受けられる要件も雇用保険と生活保護の中間のようなものになっています。詳述はしませんが、訓練に毎日通って就職に繋げなければいけないあたりは雇用保険的、収入や資産の要件があるのは生活保護的と言えるでしょう。
- 月10万円の給付金→正式名称は「職業訓練受講給付金」で、正確には「訓練受講手当」「通所手当」「寄宿手当」の3つから構成されています。「訓練受講手当」が月10万円の給付金のことなので、実は「通所手当」=交通費や「寄宿手当」=家族と別居して寄宿する場合の費用も要件を満たせば出るということですね。
- 受講料無料の職業訓練→教材費等は有料なので完全無料ではありません。求職者支援制度のページでは職業訓練の中でも求職者支援訓練が前面に押し出されていますが、公共職業訓練も受けられます。いきなり求職者支援訓練とか公共職業訓練とか言ってしまいましたが、そのあたりについての細かいことはこちらをご覧ください。実は職業訓練にもハロートレーニングという愛称があるのですね。
- 就職を目指せる→訓練を通じて資格を取ったりスキルを身につけたりすることで就職に繋げられるだけでなく、訓練実施施設やハローワークからの就職支援もあります。
今後
先ほどしれっと触れました新たな雇用・訓練パッケージによれば、職業訓練受講者数を求職者支援訓練については2倍以上、公共職業訓練については約1.5倍に拡大するとなっています。その中で求職者支援制度を使われる方も増えるでしょう。今回の特例措置は令和3年9月30日までとなっていますが、利用者が増える中でまた変更もあるかもしれません。
あとは財源についても気になるところです。実は雇用保険法第66条と第68条を見ると、雇用保険の保険料と国庫で求職者支援制度の費用を賄うことになっています。しかし、先述のとおり、求職者支援制度の対象は雇用保険を受給できない方です。つまり、身も蓋もない言い方をすれば雇用保険には関係ない方です。それなのに雇用保険料で一部を賄っているということになります。好景気で失業者の方が少ない時には余裕があったかもしれませんが、現今の状況ではこのまま続けていくのは厳しいのではと思わなくもありません。
参考文献
対話形式で読みやすいです。しかし、私の手元にある他の本では、大部であっても求職者支援制度の財源について事実のみの記述が殆どである中、こちらの本では「立法時は一般財源(税)による事業とする意見も有力でした」(p.203)と言及されていて感心しました。
残念ながら私の手元にあるのは第14版です。求職者支援制度についての記述は第14版だとかなりあっさりしていますが、第18版は今年に入って出たようですからもう少し充実しているのでしょうか。
こちらも求職者支援制度の記述はあっさりしています。 ただしISSUEの項目で生活困窮者自立支援法と生活保護に絡めて論じている箇所は非常に参考になります(pp370-371)。
私の手元にある社会保障法の文献の中で唯一求職者支援制度に3ページ割いています(pp.455-457)。ちなみにこちらでも財源に対する批判について触れられています(p.455)。
またしても残念ながら私の手元にあるのは第11版です。 『はじめての社会保障』はまだしも、『労働法』は5000円以上する書籍なので研究者でもない身の上としては再購入は厳しいです。今は働き方改革の影響で労働法は変動が激しく、また新しい版が出ないとも限らないので様子見ですね。
求職者支援制度についての記述は、社会保障法の文献のようにページ数が少ないわけではないのですが、少し淡白に感じます。法に基づいて淡々と説明していて、他の文献のように今後の課題について意見を述べたり訓練の実施状況について言及したりといったサービス(?)はありません。
所感
割愛した部分も少なからずあったにもかかわらず、この文字数となって驚嘆の念を禁じ得ません。
雇用保険と生活保護の狭間の制度ということもあり、もう少し雇用保険法、生活保護法、それから生活困窮者自立支援法についても学んだ方がより理解が深まると思いました。研究者でもない割には手元に文献がそれなりにあるので、また時間があったらまとめていきたいですね。ただ雇用保険法と生活保護法・生活困窮者自立支援法(この2つはだいたいセットで論じられます)は、求職者支援制度と比べて、どの文献でも膨大なページ数を割かれているため、かなりテーマを絞らないとまとめられる気がしません。時間のある時にパラパラ比較しながら読んで、気になった点があればまとめるって感じでしょうか。
しかし文献をめくっていると日本の社会保障の充実にはめまいがします。あまりにも充実していて支援を提供する側も受ける側も何が何だか分からなくなるのではと思わずにはいられません。
とはいえ、この情勢を受けて生活を支えるための支援が厚生労働省によってまとめられたのはとてもよいことだと思います。
所感だから適当に書いてもいいかと思っていたら着地点を見失いました。とりあえず今後もボチボチ勉強していきます。
大晦日
そういえば晦日は月の末日だと昔習ったなと思い出し、辞書を引いてみたら三十日が転じた言葉だと出てきて、また一つ賢くなりました。そんな年の末日です。
今年はこちらのブログは僅かに4回更新しただけでした。もう少し更新したいような、別にこれくらいの頻度の方が気楽で良いような、何とも言えない気持ちです。
2021年はどうなるか分かりませんが、ひとまず2020年を振り返っておきます。
2020年の漫画
2020年に読んだ漫画で良かったものを一つ挙げるとしたら、『働かないふたり』しかないでしょう。世間のゴタゴタで引きこもることが多くなり、不就労意欲が高まっていた私の心を撃ち抜いてくれました。
また人とのつながりのありがたみを最近ひしひしと感じていますので、その気持ちともマッチしています。「半径三メートルの世界」を大切にしていきたいものです。
2020年の買い物
小説や一般書でクリーンヒットしたものがなかったので、2020年に買ってよかったものを一つ挙げておきますと、ニトリの毛布です。
驚くほど暖かく、触り心地も良いので、導入してからQOLがかなり上がりました。こちらがあれば暖房をつけなくても寝られます。
2020年のアニメ
Amazon.co.jp: ハイキュー!! TO THE TOPを観る | Prime Video
未だにアニメの適切なリンクの貼り方が分かりませんが、2020年の一押しアニメは「ハイキュー‼︎」です。というか「ハイキュー‼︎」以外観ていません。しかし少年漫画が好きな方なら間違いなく楽しめると思います。私は最終話で泣きそうになりました。2020年は「ハイキュー‼︎」のおかげで乗り切れたと言っても過言ではありません。
2020年の出来事
1月から異動することになりました。そろそろ異動するタイミングだとは思っていましたが、4月や6月の異動が殆どなので1月は予想外です。おかげで12月は師走に相応しい慌ただしさでした。年が明けたら落ち着いてほしいですが、そうもいかないでしょうね。
もっと色々とあったような気もしますが、どうにも疲れてきたのでこのあたりで終わりにしておきます。それでは皆さん良いお年を。
過去の自分の文章を少し読んで
過去の自分の文章を読むのはとても面白いです。
第一に、自分の文章なので非常に読みやすい。当時のことを忘れて文脈が分からないことはままありますが、読んでいてつっかえることはまずありません。なんてったって他ならぬ自分が書いているのです。
第二に、びっくりするくらい昔書いたことを覚えていなくて笑えます。このブログの最初の記事を見たら「読書記録として運用する」という趣旨の文が書いてあって驚きました。その後追記もされていましたが、当然そのこともまるで覚えていません。といってもこの記事は廃止されてしまったはてなダイアリーから移されてきた記事だと思うので、今となってははてなブログの最初の記事は何だったのか不明です。
第三に、それでも自分は大して変わっていないなあとしみじみします。ぜんぜん覚えていない内容を妙に体に馴染むリズムで書かれているので、親しみやすい他人かと錯覚しそうなものですが、読んでいくと間違いなく自分なのです。あんまり変わりません。まだ10年もやっていないので今後どうなるか分かりませんが。
ほかにも面白さを挙げることはできそうですが、今日は何となく手を動かしたくなって書き始めただけなので、ここまでにします。気が向いた時に私的過去記事ランキングとか作ってみたいですね。
教養
今日の教養
天邪鬼なので流行っていると読みたくなくなりますが、たまには世間の濁流に呑まれることもあります。
感想を一言で申し上げれば、「まあ、面白い」です。友情・努力・勝利というジャンプの王道を行っており、技もシンプルながら格好良く、展開も早くて飽きさせません。あまりにもキャラがバタバタと死んでいくので共感しにくいという感想も聞きますが、その分想像を膨らませられるという見方もできます。作品内でそれぞれのキャラをしっかり描いてほしい向きには不評でしょうが、メインストーリーに関係ない部分をばっさり切ることで読みやすさが生まれているとも言えます。こう持って回った言い回しになってしまうのが、「面白い」の前に「まあ」がついてしまう要因でしょう。いや、まあ、面白いですよ。こういうことを言ってしまうのが天邪鬼たる所以とも言えます。
教養の強要
曲がりなりにも高等教育を受けた身なので教養なるものを身につけたほうがよいのかと魔が差すときもあります。教養関係の本は教養というだけあって幅広い分野の話が読みやすく書かれていることが多いので、読んでいるときは楽しいのですが、しかし、読み終わった後はどうにも気分が良くありません。たぶん、この水準の知識をいったいどれだけの分野にわたって身につけなければいけないのかという焦燥感と、教養の底に流れる選民思想が私をげんなりさせるのでしょう。
勉強というのはすればするほど分からないことが増える上に、ある分野についてそれなりに勉強したとしても、ほかの分野はいくらでもあるのです。どこまで行っても五里霧中です。そのプロセスを楽しめないなら適性がないと言われてしまえばそれまでですが、だいぶ前から息切れするようになってしまいました。
ことほどさように、教養は誰でも身につけられるものではありません。選ばれしエリートの文化とも言えるでしょう。その中では優劣が生じ、競争が生まれ、よく言えば切磋琢磨していきます。教養のある者が尊ばれ、教養のない者は蔑まれる。弱肉強食とも言えます。そういうのが好きな方もいるでしょうが、私はいささか疲れました。もう少しヌルい世界で生きたい。
そんなことを以前から考えていたのに、気付いたら『教養の書』を読んでいました。未練たらたらです。何ならこの後冒頭で推薦されていた山形浩生の本も読みました。
どちらの本も何とも威勢がよく、読んでいて痛快です。そうだ、私もそんな風になりたかった。万巻の書に通じ、下世話な話から高尚な話まで縦横無尽に語れる。そんな人間に、私もなりたかった時代がありました。
教養の許容
些かセンチメンタルになってしまいました。考えてみれば今の仕事に教養なんてまるで関係ないのですから、ただ淡々と仕事をこなし、与えられた賃金の範囲内で慎ましく暮らしていればいいのです。決して高給取りとは言えませんが、幸い、のらりくらりと生きていく分には不自由はありません。それで満足すればいいじゃありませんか。
そう考える自分もいますが、まあ、なんというか人間は一枚岩ではありませんね。面倒くさい。しかし面倒くさいからといって放り出すわけにもいきません。どうしたものでしょう。
そうして途方に暮れながら、また次の一冊に手を出すわけです。答えなどないと知ってはいても。
いま読んでいる本、最近読んだ本
引きこもる時間が長いのは今に始まった話ではありませんが、数少ない友人と会ったり帰省したりする予定もなくなってしまったので、読書くらいしかすることがありません。
しかし積本の在庫は潤沢にありますが、ただ読んでいるだけだと段々と飽きてきたり自分が何を読んでいるか分からなくなったりします。しかも忘却力の上昇が止まることを知らないので、何を読んだかもどんどん忘れていきます。
そのため、たまにはいま何を読んでいるのか、せめて最近だけでも何を読んだのかまとめるのも大事なのかもしれないと思いました。
いま読んでいる本
本当は一冊ずつしっかり読みたいのですが、集中力が皆無ですぐ放り出してしまうので、それならまだ数冊並行して読んだほうが時間あたりの得られる情報量が多いのではないかと信じて併読しています。ただそうすると気づかないうちに放置して積読になっていたり前まで読んでいた内容を忘れたりするので、結局どうするのがいいのかはよく分かりません。
とりあえずここでは10冊挙げましたが、ほかにもチラッと見て放置している本とかある程度読み進めたものの最近ご無沙汰している本とかもあるので、まあなんというか読書というのはままなりません。
『在野研究ビギナーズ』刊行記念ブックフェア関連
研究に全く向いていないということを大学時代に痛感したので、在野研究もすることはないのでしょうが、それはそれとして面白く読めたので、ブックフェアで配られていた冊子を参考にして何冊か購入し、いま読んでいるのがこの3冊です。どれも読みやすいので読了はできそうです(フラグに思えなくもない)。
数学系
『マンガでわかる統計学』は私の観測範囲でちょこちょこ推薦されていたのでついに買ったという感じです。友人が「全人類が統計を学ぶべき」という趣旨の発言をされていたのに影響されたということもあります。
残りの2冊はTwitterでどなたか(忘れてしまいました、すみません)が推薦されていて、面白そうだと思って買いました。『論理と集合から始める数学の基礎』は手を動かさないといけないので、久しく勉強をサボっていた自分への良いリハビリになるのではと期待しています(放り出す可能性も大いにありますが)。『コンピュータは数学者になれるのか?』はタイトルからして興味深そうです。
なんとなくコンピュータとか数学とかは面白そうと思いつつ、理系の素養が皆無なのでちょっとずつお近づきになりたいなあと思う今日この頃です。
歴史系
大学受験のときは世界史は好きだったのですが、合格してから一挙に知識が抜けていって今ではすっかり苦手になってしまったので、いつも克服を試みています。ただ受験するわけでもないので丸暗記しても仕方なく、しかしある程度知識を仕入れないと歴史というのは面白くなってこないのでその距離感を掴みかねています。
この3冊はどれも本屋で見かけてなんとなく購入しました。読了する気がしません(特に『詳説世界史研究』)。
小説
小説くらいは1冊だけちゃんと読みたいということでなるべく併読しないようにしています。でも漫画は複数読んでいるので、あんまり意味がない気もします。
最近読んだ本
圧倒的に読むのが遅いので、漫画以外はそんなに読み終わりません。漫画は買ったらすぐ読むので「いま読んでいる本」というのはないんですよね。
小説
『タタール人の砂漠』は『バーナード嬢曰く。』で出てきて後輩も面白いと言っていたので漸く読みました。人生に停滞を覚えたときに読むといいと思います。
『メゾン刻の湯』は漫画から入って原作も気になって読みました。つい他人に偏見を抱きそうなときに読むといいかもしれません。
エッセイ
『メゾン刻の湯』の漫画が面白かったことから原作の作者の別の作品も買い、その関連でおすすめに出てきた『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』(書名が長い!)も買いました。
『傷口から人生。』は自意識をこじらせそうな方が読むといいでしょう。著者のこじらせっぷりを読んでいると色々とどうでもよくなってきます。
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』は本好きな人なら楽しんで読めると思います。出てくる本がどれも面白そうです(と言いながらまだ一冊も買っていないのですが)。
『しらふで生きる』は自分自身が禁酒を始めたので気になって買いました。酒好きなら頷かずにはいられないエピソートがちりばめられています。
新書
『実践幸福学』はTwitterで一方的に知っているとある先生がつけている読書記録で好評価だったので買ってみました。確かにマインドフルネスとか認知行動療法とか一通り気になるトピックが入っていて色々なことをざっと知るには良いと思います。
『生まれてきたことが苦しいあなたに』は前からシオランは気になっていたので本屋で見かけてつい買ってしまいました。どこまでも挫折し続けるシオランの話を読むと不思議と元気が出てきます。
漫画
漫画は呼吸するように読んでおり、(主に家計の都合で)再読が多いのですが、新しく読んだ作品も少なからずあるので、そちらを取り上げていきます。
友人からおすすめされて読みました。社会へ出ていく主人公ももちろん良いのですが、1人で完結していた主人公のほうにも惹かれてしまうのは私だけでしょうか。
たまたま本屋で見かけて買った2冊です。
「リアル」というとネガティブなイメージを抱いてしまいますが、前者はポジティブな一冊です。宅配便のリアルの笑える面を取り上げています。
後者はちゃんと(?)ネガティブです。著者の方は『生まれてきたことが苦しいあなたに』を読むといいのではないでしょうか。
アニメが好きすぎて我が家に遊びにきた方には漏れなく視聴を強制しているのですが、よく考えたら漫画を読んでいないことに気付いてこの前買いました。漫画も圧倒されます。
同じ作者の方の『恋は光』について以前何度か書きました。『起きてください、草壁さん』はそこまで思い入れは生じませんでしたが、ほっこりするには良い作品です。
既に読んでいたシリーズの新刊についても書くか悩みましたが、だいぶ長くなってしまったので今回はここまでとします。
年が変わって
いつの間にか仕事も始まろうとしています。
読書記録は別所でしますと以前申し上げたような気がしますが、面倒臭くなってサボっているので、こちらで年末年始に触れた本(とアニメ)について記録を残しておきます。
エッセイ等
以前『在野研究ビギナーズ』という本を読んだのですが、そちらに関連するブックフェアをされていると知り、紀伊國屋新宿本店に赴いたときに買いました。翻訳家に転職するつもりは特にないのですが、自己管理と日々の研鑽が大事というのはどの仕事にも通ずるなあと思いました(そりゃそうだ)。
自律と自己管理について述べている箇所にある、
①仕事に集中する時間と空間を確保して、プライベートときちんと切り分ける。
②仕事の効率化を図って生産性をあげる工夫を怠らない。
③キャリアの目標を定め、それに向かって努力する。
④仕事を断る勇気を持つ。
⑤そして何よりも、心身ともに健やかに長く働き続けられるように、健康管理に気を配る。
の五箇条は翻訳家に限らず多くの方にとって参考になるのではないでしょうか。しかし「そして何よりも」と言われると「速さが足りない!!!!」と言いたくな(ry
母が書籍の整理をしていた際にもらった一冊です。介護について赤裸々に(しかし読みやすく)綴られているので、ちょっと介護について知りたいときの最初の一冊に良いかもしれません。
母が不安で寂しかったら、子は仕事も辞めて、24時間、母のために尽くしまくれと、それが子として当然の行いだとでもいうのだろうか?
こういった切実な叫びが随所にあるので実際に介護をしている方にも響くフレーズが多いかもしれないですね。あとがきにも、
介護に疲れるあなたへ、本書が一瞬のオアシスになることを祈って。
とあります。
帰省していたときに兄の本棚にあったので勝手に冒頭だけ読みました(笑)村上春樹の小説はあまり読まないのですが、エッセイは割と好きなのです。えらく気が抜ける文章なので内容はすぐ忘れちゃいますが、『村上朝日堂』シリーズとか昔読んでたなあと懐かしい気持ちになりました。
漫画
帰省したら単行本があったので、読んでみました。暗黒大陸編に入ってからやけに難しい話になってしまいましたね。虚実取り混ぜたなかで登場人物たちが色々考えているので、こちらも混乱してしまいます。
最新刊が出たので1巻から読み直しました。読み返して思ったのは、本当に感情を揺さぶるのがうまいなと。人間の弱いところも強いところも巧みに描いていて読み進める手を止めることができません。15巻は新キャラのあづにゃんが最高でした。
だいたいさ…今時流行んないよね「努力」とか「頑張り」とか
SNSでも皆言ってる
「苦しむ程 頑張らなくていい」って
「 努力」や「成果」を強要されるのは間違ってるって…‼︎!
だけど俺はっ
棋士なんだよ‼︎
保証の無い努力も
用意しても あっけ無く くつがえされる準備も
全部 全部っっ
わざわざ自分からやってんだよ‼︎
熱い、熱すぎる。松岡修造の後継者はあづにゃんしかいないと思わされます。
こちらも熱いお話ですが、9巻は次へのつなぎ感が少しありました。次巻で名人がどう出てくるか楽しみです。
ライトノベル
ついに完結したと聞いて読み直しています。ヒッキーの考え方に共感することが多いので、私もほぼ高校生、つまり働かなくてよいのではと詭弁を弄したくなるあたり、影響されまくりです。
アニメ
・「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld 」
なぜか第11話はタイトルが出てこないのですよね。
SAOは絵と音楽だけで盛り上がれます。
・「炎炎ノ消防隊」
個人的には前半のOPとEDの曲が好きだったのですが、そんなことを言っても始まりません。
・「NEW GAME !」
貼り付けている話数がバラバラなのは検索の仕様です。
アニメは他にも見ていますが、年末年始に見たのは上の3作だったはず。アニメはご飯を食べながらぼーっと見ていることが多いので、いざ感想を述べようと思うと何も出てきません。
あ、そうだ、すっかり遅くなってしまいましたが、今年もよろしくお願いします。
社会保険労務士試験
前回はあっさり流してしまいましたが、何を隠そう4回も受けたので、ネタとして消化したくなってきました。
点数
それでは各回の成績から曝していきましょう。選択式と択一式のそれぞれの点数の推移を見ていきます。
選択式
第48回 | 第49回 | 第50回 | 第51回 | |
---|---|---|---|---|
労働基準法及び労働安全衛生法 | 4 | 4 | 3 | 5 |
労働者災害補償保険法 | 4 | 4 | 3 | 5 |
雇用保険法 | 3 | 3 | 5 | 5 |
労務管理その他の労働に 関する一般常識 |
2 | 3 | 5 | 4 |
社会保険に関する一般常識 | 4 | 3 | 1 | 3 |
健康保険法 | 0 | 2 | 4 | 5 |
厚生年金保険法 | 2 | 3 | 1 | 3 |
国民年金法 | 4 | 2 | 4 | 5 |
総得点 | 23 | 24 | 26 | 35 |
択一式
第48回 | 第49回 | 第50回 | 第51回 | |
---|---|---|---|---|
労働基準法及び労働安全衛生法 | 7 | 7 | 8 | 4 |
労働者災害補償保険法 | 6 | 6 | 5 | 7 |
雇用保険法 | 8 | 6 | 7 | 8 |
労務管理その他の労働及び 社会保険に関する一般常識 |
3 | 7 | 5 | 7 |
健康保険法 | 4 | 8 | 8 | 7 |
厚生年金保険法 | 6 | 7 | 8 | 6 |
国民年金法 | 2 | 8 | 7 | 7 |
総得点 | 36 | 49 | 48 | 46 |
所感
社会保険労務士の試験云々よりも表を作成したりデザインを変えたりするのに疲れました。
いや、それはさておき。
選択式は順調に点数を伸ばしているのに対して、択一式は第49回以降少しずつ点数を落としています。
といっても勉強法を変えたのは最後だけでしたので、恐らく第48回はただの勉強不足で、それ以降は一定の実力を保っていたのでしょう。選択式が第51回に大きく点数を伸ばしたのは勉強法を変えたのが功を奏したのかもしれません。
とはいえ、選択肢問題はどうしても運が関与してくるので、運が良かっただけの可能性もあります。
勉強法
これから受験される方の参考になるか全く分かりませんが、簡単にどんな感じで勉強していたのか記しておきます。
方針
薄給社会人の常として、お金も時間も潤沢にあるわけではありませんでしたので、通勤時間や休日に市販の参考書でちまちま勉強していました。都会から離れた地に飛ばされていたときは割と暇でしたので、通勤時間でなく仕事終わりにだらだら勉強していました(というか通勤が徒歩や自転車だったので通勤時間で勉強はできませんでした)。なお、学校に通うという手段は異動や費用を考慮すると選択肢にありませんでしたが、恩師には「学校に通ったほうがいいんじゃない?」と言われていました←
ちなみに勉強時間は平日は1日30分くらいで休日は1日1時間くらいでしたでしょうか。時間を測って勉強していないので正確なことは不明ですが、タイムリミットがあるわけでもなかったので、試験前以外は「つまらなくなったらすぐやめる」をモットーに勉強していました。無理しても何もいいことはありませんからね。
試験前は多少やる気が出るので休日はもう少し勉強していたと思います。といっても2〜3時間だったと思いますが……ただでさえ仕事で疲労とストレスを溜めているのに休日までガリガリ勉強なんてしていられませんよね☆
参考書
わざわざ比較検討して最高の参考書をチョイスするなんて時間の無駄などと威勢の良いことを言うまでもなく、常識的に考えて大手の参考書でそこまで差があるとは思えませんので、キャラクターのねこちゃんがちょっと可愛いTACの参考書を使っていました。
みんなが欲しかった! 社労士の教科書 2020年度 (みんなが欲しかった! シリーズ)
- 作者: TAC社会保険労務士講座,小野寺雅也,滝澤ななみ
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2019/10/09
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みんなが欲しかった! 社労士の問題集 2020年度 (みんなが欲しかった! シリーズ)
- 作者: TAC社会保険労務士講座,小野寺雅也
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2019/10/09
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みんなが欲しかった! 社労士全科目横断総まとめ 2020年度 (みんなが欲しかった! シリーズ)
- 作者: TAC社会保険労務士講座,滝澤ななみ
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2019/12/06
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第48〜50回は教科書と問題集と横断まとめを使っていました。
基本的には問題集を何周もして、問題集を解いていても分からないところや全体像を掴みにくいところを教科書や横断まとめで補うというやり方でした。こういうとしっかりした勉強法のようですが、実際には教科書や横断まとめは殆ど使わず、お守り化していました←
みんなが欲しかった! 社労士 合格のツボ 選択対策 2020年度 (みんなが欲しかった! シリーズ)
- 作者: TAC社会保険労務士講座
- 出版社/メーカー: TAC出版
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みんなが欲しかった! 社労士 合格のツボ 択一対策 2020年度 (みんなが欲しかった! シリーズ)
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第51回になって漸く合格のツボに手を出しました。といっても試験直前に買ったため1周しかできませんでしたので、果たしてどこまで合格に資したのか不明です(笑)
とはいえ、合格のツボで解いた記憶のある問題は多かったので、もし今回も不合格だったら次回は合格のツボを何周もする作戦でいこうかと思っていました。問題集は実際の試験と同じ形式で解けるというメリットはあるのですが、問題を解きながら知識をつけるにはあまり向いていなかった気がします。
反省
私は教科書を読んで体系的な知識を身につけるよりも問題を解きながら覚えるタイプだというのは自覚していたのですが、先述のとおり問題集は試験形式に慣れるのには向いていても問題を通して知識をつけるには向いていなかったようなので、教材の選択をミスしたというのが第一の反省です。
第二の反省はやはり試験に特化した勉強になってしまい、これから仕事や生活で活かせる知識はあまり身につけられなかったことです。選択肢を与えられれば解けるといっても現実には選択肢はありませんので、基本的なことは頭に叩き込んでおいて、応用的なことでも何を参照すればいいのか分かっていないとあまり役にたたないわけです。試験を通して何も身につかなかったとまでは悲観していませんが、とはいえ4回も受けた割には基本的な事項でさえ穴だらけなので、これからも少しずつ勉強していければと思います。
総括
一行でまとめるなら、試験合格はゴールでなくスタートです。