雑記

雑な記録。略して雑記。

引きこもり

不覚にも時流に乗ってしまい、約10日間の引きこもり生活を余儀なくされています。

 

 

しかし前半の苦しい時期を乗り越えれば、外に出られないだけで仕事も休みなので良いものではないかと思えてきました。あんまり生産的なことはしておりませんが、好きな漫画や小説を読んだり、筋トレをしたり、寝たい時に寝たいだけ寝たり、YouTubeで適当な動画を眺めたり。そう、これでいい、これくらいでいいのだ、と思わずにはいられませんでした。

 

 

何か書きたいことでも出てくるのかなあ、と思ったらそういうこともなく、意外とぼーっとしているだけで日々を過ごせます。ボケまっしぐらな気がしないでもありません。

 

 

とはいえ、この安寧な日々もそろそろ終わりを告げようとしています。週が明けたらまた出勤です。それまでせいぜい休暇を謳歌することにしましょう。

基本情報技術者試験を受けないことにしました

2年半前に社会保険労務士試験に受かって以来、資格試験とは縁がなかったのですが、たまには勉強した方がいいのかという気持ちに先日なりまして、ITリテラシーを高めるべく基本情報技術者試験を受けようと思っていました。問題集を何冊か買って過去問も解いて、試験が5月までなので、ここからラストスパートをかけるところです。

 

 

ところがですね、いざ試験を申し込もうという段になって大きな壁が立ちはだかりました。その名もエラーコード99。何度やり直してもこの壁が私の受験を阻みます。

 

 

先ほどググってみたらどうもIEでないとこのエラーが出てしまうとのこと。え、Macユーザーの私はどうしたらいいのでしょうか。というか仮にもIT系の試験でWindowsOSにしか対応していないというのはどうなのでしょう。

 

 

そんなわけで、急にやる気がなくなり今回の受験は断念しました。まぁ、社労士と違って自分の仕事に直接役立つわけでもなし、資格を取ったところで手当が出るわけでもなし。ある程度勉強して何となくITリテラシーは向上した気がしなくもないので目的は果たされたということにしましょう。7500円の受験料も節約できて万々歳ですね。

気付けば年末

疾風怒濤の日々を終えて年を越えようとしています。

 

 

greenhorn-a.hatenablog.com

 

さて、今年の5月に書いたこの記事ですが、現在はさらに特例措置が追加され、職業訓練受講給付金の受給要件や訓練の対象となる方の範囲が緩和・拡充されています。

求職者支援制度のご案内 |厚生労働省

率直に申し上げて、かなり思い切った変更です。特に職業訓練受講給付金の出席要件の部分はこの制度について多少ご存知の方なら驚きを禁じ得ないでしょう。今までは自己都合の欠席をしたら問答無用で不支給となっていたのが、これからは日割の減額となるのですから。言い換えれば、今までは0円だったものが、これからは10万円からいくらか減額されるだけということですから、制度利用者にとってはありがたい変更です。なぜ今までそうしてくれなかったのかと思ってしまうほどに。とか言っているとまた恒久的な制度になってしまうのでしょうか。今後も目が離せません。

 

 

さて(2回目)、今年は『左ききのエレン』の記事を3本書いたほかは『読書嫌いのための図書室案内』に触れただけで、上の求職者支援制度に関する記事と合わせて5本しか書いていないのですね。人事異動の関係で仕事が慌ただしかったので、そのせいでしょうか。とはいえ、たくさん書いたところで何かあるわけでもありませんので、来年も気ままに更新していきたいものです。

『左ききのエレン』のキャラクターについて好きなように語る〜山岸エレン〜

『左ききのエレン』のキャラクターについて好きなように語る〜朝倉光一〜 - 雑記

 

職場の方に『左ききのエレン』を布教してきましたので、その勢いで続きを書きます。

 

 

「天才になれなかったすべての人へ」という作品を描く以上、天才の存在は必須です。天才がいなければ自分が天才なのか凡人なのかも分かりませんから。

 

山岸エレンは天才として用意された存在です。『左ききのエレン』は「天才になれなかったすべての人へ」がテーマである以上、朝倉光一が主人公であるはずなのですが、なぜかタイトルはエレンの名前です。そしてタイトルに取り上げられているだけあってエレンも物語の中心にいますので、「天才である一部の人へ」が裏のテーマなのかもしれません。

 

 

そんな天才であるエレンも人は人なので、というか絵(目)の才能だけが突出していて、それ以外は普通の人なので、悩みは——才能の大きさに比して強烈ではありますが——平凡です。私のような凡人でも共感できます。もしその才能を持っていたとしたら、きっとそんな気持ちになったであろうと。そのあたりは同じ天才を扱う『響〜小説家になる方法〜』とは異なります。

響も小説家としての天稟を与えられていますが、エレンと異なりひたすら真っ直ぐです。真っ直ぐ過ぎて凡人に共感はできません。真っ直ぐ筋は通っているので理解はできるかもしれませんが、自分より明らかに強い相手に躊躇いなく暴力を振るう響に共感できる凡人はいないでしょう。

 

 

その点、エレンは凡人でも共感の嵐です。強大な才能が周囲を傷つけてしまう恐怖。周囲の勝手な期待に対する反発。一つの才だけが飛び抜けている故に他のことができない劣等感。乱暴にまとめるなら、天才故の弱さとでも申しましょうか。その弱さには凡人でもうんうんと頷けます。『ピンポン』大好き太郎こと私はすぐにスマイルを思い出します。

スマイルも天才故の弱さに苛まれます。エレンと違って感情表現は豊かではありませんが、その優しさや才能の受け止めきれなさは似ています。

 

 

しかしスマイルは卓球の世界から身を引いてしまいますが、エレンには今のところその気配はありません。優しい天才のその先に何があるのか。光一と再び交わることはあるのか。続きが楽しみです。

『読書嫌いのための図書室案内』〜『ビブリア古書堂の事件手帖』を想起せずにはいられない〜

 

口下手な女の子と読書が苦手な男の子が織りなす物語と申し上げてしまうと、『ビブリア古書堂の事件手帖』になってしまいます。

もちろん、栞子さんも大輔も成人していますので、女の子と男の子と言ったら少し違うかもしれません。しかし、そんなことは瑣末な問題です。女の子を女性、男の子を男性と置き換えれば済む話です。つまるところ、年齢以外はそっくりということです。本についてだけは饒舌な女性に読書の苦手な男性が感化されていく一方で、口下手な女性は読書の苦手な男性と話していく中で少しずつ心を開いていきます。そう、口下手というと単に話すのが下手なだけかと思われますが、女性には口下手になってしまう事情があるのです。物語が進むにつれ、その事情は詳らかにされ、読書が苦手な男性によって解決へと導かれていきます。そして男性側も本への苦手意識がなくなっていって、めでたしめでたし。

 

そんな風にまとめてしまうと、本当にこの2つの作品の差異が分からなくなってしまいます。ところどころで文学作品と登場人物たちの物語が交錯するのもそっくりです。あれ、まさか私は同じ小説を気づかずに読んでいたのでしょうか。

 

まあ、当然そんなわけはありません。とりわけ私にとって2つの作品を大きく分かつものは樋崎先生の存在です。最後に明かされる樋崎先生の正体はよくあると言えばよくあるのですが、こちらがよくある一つの人間像になるあたりに昨今の闇が隠されているのかもしれません。

 

しかし、よく考えたら『ビブリア古書堂の事件手帖』も以前に読んでから随分と時間が経過していて内容をよく覚えていません。実は樋崎先生のようなキャラクターが出ていたりして。

だとしたら恥ずかしい限りなので、また読み返しましょうかね。

『左ききのエレン』のキャラクターについて好きなように語る〜朝倉光一〜

※好き放題ネタバレします。なお私はリメイク版しか読んでいません。他のキャラクターについて語るかも未定です。つまるところ行き当たりばったりです。

朝倉光一。「天才になれなかったすべての人へ」というこの物語の主人公にふさわしく、どこどこまでも凡人です。2巻と15巻の表紙を見比べると別人のようになってしまっていますが、それでも天才にはなれず足掻くことには変わりありません。

 

でもね、この物語を読んでいる方ならご同意いただけるのではないかと思うのですが、光一だって充分凄いのです。なんてったってどんな才能にぶち当たっても未だに何者かになることを諦めていません。自分の100倍絵が上手いエレンに対して「ライバル」と言い放ち、自分のクリエイターとしての才能を否定してくる天才あかりに対しても「俺はまだイチローになりたい」と豪語するなんて、並の凡人には不可能でしょう。少なくとも私には無理です。私は自分を超える強烈な才能に出会って、自分はただ生きて死んでいくだけの存在だと思ってしまいました。とてもライバルだなんて言えませんし、イチローのような何者かになろうだなんて思いません。いやまあ、完璧に諦めたと言えば嘘になります。どこかでまだ自分の可能性を信じていますが、しかしどうすればいいのかはさっぱり分かりません。そして気づけば時間が経って死んでいく予感はしています。それもまた凡人らしい。

 

しかし私と違って光一は全力で足掻きます。あっさり諦めて「どうにかなったらいいなあ」と嘯いている私と違って、エレンという才能に打ちのめされても美大に行き、美大に行ってあかりという才能にまた打ちのめされても目黒広告社に行き、目黒広告社に行って神谷という才能に打ちのめされても柳チームで奮闘します。才能に打ちのめされ、しかもその才能は自分の元を去っていくのに、それでも諦めません。「オレはオレが諦めるまで諦めない」というのは単なるトートロジーに過ぎないように思えますが、光一に言われると説得力があります。

 

もちろん、本物の天才と関わったことによる刺激も大きいと思います。エレンとは高校時代という多感な時期を共に過ごし、あかりとは男女の関係を結び、神谷とは同じチームで働いています。朱に交われば赤くなるという慣用句もありますように、人はその環境に左右されます。凡人であればなおさらです。才能しかないクズの放つ強烈な影響力から凡人が逃れられるとは思えません。

 

この点が私と光一の差なのかもしれません。私は逃げました。才能とぶつかることを避けました。打ちのめされるのが怖かった。ぶつからなければ惨めな思いは避けられます。遠くから眺めていれば素直に称賛できます。自分の醜く小さい部分と向き合わずに済みます。それが間違っているとは言いません。まだ私は自分の人生を否定はしません。これからどうなるかは分かりませんが。

 

そんな私とは異なり、光一は逃げずに才能と向き合いました。彼我の圧倒的な差を自覚していながら、それでも天才たちと正面衝突し、彼らに影響を与えるまでになりました。立ち上がった凡人とまで言われるようになりました。

 

しかし、それでもまだ凡人は凡人です。イチローにはなれていません。そしてこの物語が天才になれなかったすべての人に捧げる物語である以上、光一はイチローにはなれないはずです。イチローになれない光一は足掻いた末にどうなるのか。私が読んでいるリメイク版ではまだ分かりません。私にも光明をもたらすものになるのか、それとも。

それでも私は歩き続ける

 

こんな風に全力疾走したかった。そう思わされる作品です。

何せどいつもこいつもアツすぎます。

オレはオレが諦めるまで諦めない

でもな 竹山 美術じゃなくていい 今じゃなくていい いつか本気出せよ

体調最悪でも 2日寝てなくても 友達に裏切られても 女にフラれても その中で歯くいしばってひねり出した仕事が お前の実力の全てだ

ぼく人間ちゃうわ デザイナーや

元々持ってるカード 新しく手に入れるカード 捨てなきゃいけねえカード その組み合わせで勝負する人生ゲーム… ズルいカードなんてあるか

沢村さん…それでもオレは精一杯働きますよ 誰に頼まれた訳でもなく…精一杯…‼︎

山岸君 選ばなかった道を想って泣くんじゃない 胸を張れ 創作もまた言葉だ 君は君が選んだ生き方で幸せになりなさい

君が私より優れたアイデアが出せるなら 私は立場に関係なく君に従おう 逆にそれができないのなら 立場に関係なく私に従ってもらう それが対等だ クリエイターとして生きるならつくったものだけで勝負しろ この世界にがんばったで賞なんて無いんだからな

ゆるやかに減速していく人生に耐えられない 私は人生のピークで消えたいの

誰だって結局は自分次第でしょ

いいモノつくるのに 好きか嫌いか関係なくない?

自分にしかできないと信じていた仕事は 私でなくてもできる仕事だったんです

オレが自己中なんじゃねぇ… 世界の中心がここってだけだ

他人はあなたを幸せになんて出来ない どんな道を選ぶかはあなたが決めるの

…まぁあんま忙しいのも考えものだけど…ヒマよりいいよね

この日のために……とか どれだけ準備して…とか そういうのって… 重くない? 私の中の理想は それを努力だなんて呼んでくれない

その先にあるはずの 無数の可能性 他人の人生を覗き見た時に感じる 自分にもあったかも知れないもしもの物語 そんなものよりも もっと甘美な一本道がある 命が尽きるその時に 激しく燃えた人生だったと思いたい—— そうでしょ? あかり

天才として死ぬくらいなら 凡人として生きてほしい

一人一言引用しようと読み返していたら皆さん次から次へと印象的な台詞を吐いていて痺れました。「全てのセリフがキャッチコピー」と言われるだけはありますね。あと思ったよりも主要な登場人物が多かったです。

しかし、その多くの登場人物それぞれが命の灯火を最大限燃やしていて、その熱がどの登場人物からも伝わってきます。アツい。アツすぎる。私のような半端者は火傷してしまいそうなほどに。

といっても、半端者だからと言って熱が必要ないわけではありません。あまりにも冷えれば凍死してしまいます。めっきり寒くなってきた今こそ読んでいただきたい漫画です。同じように走ることはできませんが、せめて私は歩き続けます。いつか胸を張れると信じて。